中大、今季リーグ戦の初勝利へ「何が何でもやろうとしていることを、やる」。
11月22日には東京・江戸川区陸上競技場で、ここまで1勝4敗の専大を迎える。
白星を挙げれば勝ち点4が得られる制度の下、4位から入替戦対象の7位、8位までは勝ち点6の差でひしめく団子状態。12月5日までの残り2節は各校にとって落とせないなか、現在最下位の中大は磨いてきた「武器」をさらに磨く。
あの日の法大戦の直前。チームテントで遠藤HCが選手に発した言葉は、そのまま専大戦へのメッセージとなりうる。
「狂ってる? 周りの仲間の目を見て。何かあったら、頼りなよ。準備は完璧。武器は揃った。それは、おまえたちが頑張ったからだ。その武器をいま使わなかったら、いつ使う? 身体、張れよ! 中大、見せろ!」
20歳以下日本代表だった4年生SOの侭田洋翔、191センチの長身を誇る3年生FLの橋本吾郎ら主力候補が故障離脱中だ。
何より11月以降、八王子市の南平寮に滞在の男子バレー部、バスケットボール部、レスリング部から新型コロナウイルス感染症のPCR検査での陽性反応者が出た。キャンパス入口には検温カメラが設置される。緊迫感が高まる。
もっとも、他部と住まいの異なるラグビー部の4年生は、4月1日から6月上旬までの一時解散を経て感染症対策のための新ルールを策定している。電車を使わないのはもちろん、一時はコンビニエンスストアへも行かなかった。
最近では、脱衣所や浴室に一度に入れる人数を増やす代わりに入浴中の私語を厳禁とした。川勝主将は「寒くなってきたので(入浴の)回転数を上げるため、(一度に入れる)人数を増やしました。その代わり、しゃべらない」と説明し、こうも続ける。
「何のためのルールか。コロナにかからないために、さらに冷えて風邪をひかないために…ということです。自分たちのやることは変わらない。いままで通り厳しくいこう、という話。もう、ここまで来たらラストスパートです」
3桁台にのぼる部員が複数の居住施設に散る強豪校もあるなか、中大ラグビー部では約40名の選手すべてが堀之内の1棟で共同生活を送る。遠藤HCは続ける。
「少人数、小規模で頑張っている点も、中大のいい個性。だからこそ生まれる一体感は、あると思います」
部員たちの結果に表れぬ凄みを認識するからこそ、部員たちに結果をつかませたい。