【ラグリパWest】全国制覇のための人工芝 石見智翠館高校 [島根県]
以前の環境の中、青と紺白ジャージーは、花園で4強1回、8強2回の戦績を残す。
95回大会(2015年度)は31−46と桐蔭学園に打ち負け、決勝進出の望みは絶たれた。
96、92回大会は御所実、國學院久我山にそれぞれ7−43、12−19だった。
この人工芝の完成もあって、次のステップに進める手応えはある。
夏の菅平合宿では練習試合を組んだ5校すべてに勝った。その後の関西遠征でも強豪に負けてはいない。
「20分1本とか、20分ハーフとか、前後半でメンバーを変えたりしているので、参考にはなりません」
安藤は慎重な姿勢を崩さないが、結果はその強さの証明になる。
島根の高校生もコロナの影響を受けた。立正大淞南のサッカー部ではクラスターが発生する。ラグビー部も不自由な時を過ごした。
「練習は1日60分だったり、2日に1回は休みだったりしました。体育館で映画鑑賞をして終わる日もありました」
それでも東京や大阪など、コロナが猖獗(しょうけつ)を極めた地域に比べれば、ましである。
安藤は今年のチームを評する。
「どっちがいいかと言えないくらい、FWとBKのバランスがいいですね」
主将の松本はCTBとして突破役をかう。
「コンタクトには自信があります」
174センチ、84キロの体を当てまくる。
NO8のグアイニ優人はFWの中心。昨年からのレギュラーだ。
「跳躍力、バネがすごいです」
安藤の期待度は高い。
FLの古寺直希はキッカーをつとめる。FWではあるが、蹴りは正確だ。
100回目となる全国大会の県予選は2校参加。11月3日、初戦となる決勝は出雲に114−0で勝利した。
安藤は思う。
「チームが今あるのは、土のグラウンドでずーっとやってくれたOBたちのおかげです」
創部は1990年。日本代表にはPR豊山昌彦、SH茂野海人(ともにトヨタ自動車)、FL山本浩輝(東芝)の3人を送り込んだ。キャップ数はそれぞれ24、10、5になる。
ただ、あまたの無名の戦士たちにも感謝は忘れない。
「全国制覇、したいですね。チームとしては30年連続30回目、私が監督として20回目の出場。大会は100回。キリのいい数字に特別なものを感じます」
常に慎重な安藤の口からは、最後に具体的な目標が飛び出した。節目の年。人工芝に続く、2つ目の念願をかなえたい。