【ラグリパWest】マイコ、再び。飯泉苺子 [東京・荏原第六中学校2年生]
大阪の地で磨いた度胸は、国内だけにとどまらない。今年3月にはオーストラリアに渡った。コロナで行き来ができなくなる前に2週間の短期留学。父は話す。
「我が娘ながら行動力がすごいです。自分ひとりでエージェントとメールのやり取りをして、すべてを決めてきました」
婚前に客室乗務員だった母・奈美江も世界を見ているため、反対はしなかった。
青い空と白い砂浜が美しい北のケアンズで語学学校に通い、ホームステイをする。
「学校には校則がなく、授業は30分があったり、90分があったり、新鮮でした。もっと、いたかったです」
日本とどっちがよい?
「どの視点で見るかだと思います」
今月19日で14歳になるとは思えない。
帰国、そして帰郷をして、荏原六中ではダンス部に入った。
「バレーボールがなかったんです」
部員は女子ばかり27人。チーム名は「6 KISS♡」だ。
「部活は楽しいです」。
ただ、踊ることと比べても、この浪花の地には別物のよさがある。
「どこかのタイミングで、もう一回住みたいな、と思っています。少なくとも、1年に何回かは顔を出したいです」
来阪は今月4日。2つ下の妹・凛子と家族4人で父の1LDKに泊まる。15日に祖父母のいる浜松に移動する。滞在は12日を予定している。
引き続き、この街でひとり暮らしを続ける父を思いやる。
「よく頑張っていると思います」
父の現役時代、ともに戦った重光泰昌、佐藤幹夫らはコーチになった。
可愛がってくれた人たちはまだチームに残る。応援には熱がこもる。
来年1月には、翌年発足予定の新リーグを睨んだ戦いが始まる。近鉄は、そこでの四強進出に目標を置く。
「勝ってほしいですね」
父が家族と離れる生活は3年目に入った。その二重生活が報われてほしい。
大阪で刺激を受け、成長曲線を上げた娘はそのことを切に願っている。