海外 2020.07.04

NZの英雄カーターが原点で活力注入 故郷のクラブで6年ぶりにプレー

[ 編集部 ]
NZの英雄カーターが原点で活力注入 故郷のクラブで6年ぶりにプレー
試合後、サウスブリッジの仲間たちと勝利を喜ぶダン・カーター(Photo: Getty Images)


 神戸製鋼コベルコスティーラーズを退団後、新加入したブルーズでデビューが待たれるニュージーランドの英雄、ダン・カーターが、7月4日、故郷サウスブリッジのラグビークラブでプレーした。
 新型コロナウイルスの影響により日本でのラストシーズンを不完全燃焼で終えていたカーターが試合に出場するのは、2月23日の東芝ブレイブルーパス戦以来、約4か月半ぶり。ニュージーランドでのプレーは、2015年のワールドカップ直前にオーストラリア代表とブレディスローカップを戦って以来となった。

 サウスブリッジは、南島にある人口わずか900人程度の小さな町。そして、1876年設立のサウスブリッジ・ラグビー・フットボール・クラブが、のちに“パーフェクト10”と呼ばれるカーターの原点である。彼の父であるネヴィルさんは現在もこのクラブに深くかかわっており、ブルーズの一員としてスーパーラグビー アオテアロアでプレーする前にコンディショニングを取り戻す必要がある38歳のカーターにとっては、心身ともに高めていく最適な場所だった。
 ニュージーランド代表“オールブラックス”で112キャップを重ね、世界最優秀選手に3度も選ばれたことがあるカーターがサウスブリッジでプレーするのは6年ぶり。

サウスブリッジのジャージーを着てフル出場したダン・カーター(Photo: Getty Images)

 カーターはこの日、カンタベリー地区のクラブ大会で、サウスブリッジの背番号10をつけて80分間フル出場。仲間の2トライを演出してゴールキッカーも務め、ウェストメルトン相手に54-14で勝利に貢献した。

 カーターは試合後、地元メディアのインタビューで「ここには慣れ親しんだ顔、慣れ親しんだ環境があり、子どもの頃の思い出がたくさんある。ここではもう頻繁に試合に出られないから、かなり特別です」と、久しぶりに古巣でプレーした感想を語った。

 トレーニングを再開してから4週間が経ち、この日はアマチュア選手が相手とはいえフル出場となったが、「80分間は私が予想していたよりも楽しかったです。ちょっとまだ(自分の動きは)鈍いですけど、よかったです」と振り返った。

 気になるのはいつスーパーラグビー アオテアロアの舞台に登場するかだが、今週末に試合がなかったブルーズは、7月11日にクライストチャーチでクルセイダーズと対戦することになっている。カーターにとっては、かつて13年間在籍した古巣だ。ブルースのレオン・マクドナルド ヘッドコーチは数日前、来週のクルセイダース戦でカーターをデビューさせる可能性は低いと語っていたが、果たして……。
 ブルーズはその後、7月18日にウェリントンでハリケーンズ戦、7月26日に地元オークランドでチーフス戦を控えている。

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