【動画メニュー】桐蔭学園、最高基準のジミ練[7] オフロード
桐蔭WORDS 「ボディを出せ!」
コンタクトの瞬間に、ショートステップや股関節、肩甲骨の動きなどをうまく使って、相手デイフェンスの裏に、出る。体が30㌢でも食い込めば、ボールは格段に扱いやすくなってパスがつながる。さらに、ディフェンスのオフサイドラインが下がるため、次の攻撃が有利に。この30㌢を作るために…「30㌢」にこだわろう!
INTERVIEW 藤原秀之監督
日々、地味。
感覚を磨く練習
「オフロード導入のきっかけはサニックス。海外チームに勝つための武器をという発想でした」(藤原監督)
2020年、第99回全国高校大会で初めての単独優勝を遂げた桐蔭学園。
1996年の初出場から決勝を7度経験してきた安定感は特筆もの。言わば必然的に勝ち上がってきた桐蔭学園の特徴の一つは、チャレンジングな個人戦術への取り組みだ。冒頭に語っている通りである。
「これだけ毎年経験させてもらっていながら、海外勢に勝てない。彼らとの違いはチャンスで『スコアを取り切る』決定力にあった。チャンスでラックを作ってスピードダウンするのではなく、そのままつないでトライを取り切る」
オフロードを基本技術として考え、腹を括って取り組んだ。
もう一つ、桐蔭学園のゲームで特徴的なのは、キックオフなどでのハイボールへの仕掛けだ。
99回大会決勝は象徴的だ。堅守の御所実を後半に突き放すことができたのは、後半早々のキックオフでのマイボール確保にあった。
「普通に相手にボールをやったら、後半の大事な時間帯に、御所にボールを持ち続けられてしまう。なんとしても自分たちが攻めたかった」(藤原監督)
桐蔭学園は、マイボールキックオフでLOを左右に振り分け、相手の高さを「分散」させた。そこで、LO安達航洋が見事な確保。この流れで結局後半に追加点を奪って、勝利を手繰り寄せた。
桐蔭の選手たちが発揮する才能や能力は、今回も紹介する「地味な練習」で、日々、高められている。
(つづく◎取材・文/成見宏樹 写真/長岡洋幸)
監修・藤原秀之▼桐蔭学園監督