海外 2020.06.28

ラグビー王国NZで挑戦したカナダ代表主将アードロン チーフス退団し次はフランスへ

[ 編集部 ]
ラグビー王国NZで挑戦したカナダ代表主将アードロン チーフス退団し次はフランスへ
南半球の猛者たちに挑み、たくましさを増したカナダ人のタイラー・アードロン(Photo: Getty Images)


 2017年からラグビー王国ニュージーランドで挑戦してきたカナダ代表主将のタイラー・アードロンが、6月30日をもって3季在籍したチーフスを退団することが発表された。現在開催中のニュージーランド国内大会「スーパーラグビー アオテアロア」のスコッドにも名を連ねていたが、フランスのカストル・オランピックと来季からの2年契約を結び、新たな場所へ旅立つ。

 アードロンはカナダ・オンタリオ州出身の29歳。少年時代はバレーボール、バスケットボール、ラクロス、ホッケーに親しんでいたが、15歳のころにラグビーを勧められ、楕円球を手に才能を開花し、カナダが誇るトップラガーマンとなった。
 テストマッチデビューは20歳のときで、おもにナンバー8、フランカーとして、これまで37キャップを獲得。2015年と2019年のワールドカップにも出場し、その両方でカナダ代表のキャプテンを務めた。

 カナダの選手は地元や隣国アメリカのクラブに所属している選手が多いが、アードロンは20代前半から海を渡り、ニュージーランドへ行く前はウェールズのオスプリーズでプレー。ケルティックリーグ(プロ12/現 プロ14)で優勝4回を誇る名門でチームの年間最優秀選手に選出されたこともある。

 そして、2017年にニュージーランドのベイ・オブ・プレンティに加わって王国のラグビーを学び、2018年にチーフスの一員となってスーパーラグビーデビュー。カナダ代表ではFW3列でプレーするアードロンは、当時、サンウルブズに移籍するためチーフスを退団した日本代表主将リーチ マイケルの替わりとして期待され、8番をつけることも多かったが、マルチプレーヤーでロックとしての評価も高く、チーフスで通算30試合に出場した。

 アードロンは今年もフルシーズンの活躍が期待され、2020スーパーラグビー開幕戦からスターティングメンバーに名を連ねていたが、新型コロナウイルスの世界的大流行により、大会は3月中旬で中断。代替大会として設けられたスーパーラグビー アオテアロアに意欲を見せていたものの、ハムストリング負傷により、6月中旬から始まったアオテアロアではプレーできず、退団することとなった。

「チーフス、そしてベイ・オブ・プレンティの一員として過ごしたニュージーランドでの時間は最高でした。私はニュージーランドを探検する機会を本当に楽しみ、多くの素晴らしい人々に会うことができた。チャンスを与えてもらい、とても感謝しています。両チームとの時間を十分に楽しみました」

 そうコメントしたアードロンは、来季からはフランス最高峰リーグのトップ14で挑戦する。

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