国境を越えて団結したサンウルブズ。特別な存在となったチームは、存続か、解散か…。
あっという間の5年間。しかし、思い出はたくさんある。
初勝利は2016年4月23日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれたハグアレス(ジャガーズ)戦だった。デビューイヤーに7連敗と苦しんでいたサンウルブズは、同じ年に新規参戦したアルゼンチンのチームに挑み、36-28で激闘を制し歓喜した。
2017年はライオンズ(南アフリカ)相手に7-94と大敗した試合もあり、元南ア代表ヘッドコーチのニック・マレットからは「日本のラグビー関係者はスーパーラグビーをなめている」と批判されたこともあった。
2016年末から2017年にかけて、スーパーラグビーの参加数を18チームから15チームに減らすことが話し合われていたとき、実は、サンウルブズを外そうという声があったことを渡瀬CEOは2日の会見で明らかにした。
そんな厳しい声を見返すかのように、2018年には初開催となった香港のモンコックスタジアムで南アフリカのストーマーズに挑み、同点で迎えた試合終了間際の攻防でターンオーバーから逆襲し、SOヘイデン・パーカーが劇的なドロップゴールを決め、海外での初勝利という歴史を刻んだ。
参戦4年目だった2019年の3月2日には、ニュージーランドのハミルトン(FMGスタジアム・ワイカト)で優勝2回を誇る強豪チーフスを下し、アウェイゲーム初勝利を果たした。
そして、2020年3月14日にオーストラリアのブリスベン(サンコープスタジアム)でおこなわれたクルセイダーズ戦(14-49)が、サンウルブズにとってのスーパーラグビー最後の試合となった。
5年間の通算成績は9勝1分58敗だった。
「我々が想像する以上に多くのファンの方々がこのチームを応援してくれて、競技場でも大きな声援を送ってくれました。どこにもない、サンウルブズの応援のカルチャーも作ってくれた。そういったことを十二分にみんなで再認識したうえで、今後の在り方を考えていきたいと思います」(渡瀬CEO)