海外 2020.06.02
国境を越えて団結したサンウルブズ。特別な存在となったチームは、存続か、解散か…。

国境を越えて団結したサンウルブズ。特別な存在となったチームは、存続か、解散か…。

[ 編集部 ]
ラストイヤーにサンウルブズを指揮した大久保直弥ヘッドコーチ(撮影:Hiroaki.UENO)

 大久保ヘッドコーチは、「率直に言ってこういう終わり方になってしまったことは残念」と気持ちを明かした。それでも、スーパーラグビーが中断になってからの2か月、もう一度プレーできるように、渡瀬CEOをはじめ多くの人が選手のために一生懸命、粘り強く交渉を続けている姿を横で見ていたから、「納得しています」と言った。

 最後の望みが絶たれたことは、選手たちには5月30日に伝えられた。事実を淡々と聞かされた選手たちは悔しさもあったに違いないが、ジャパンエスアールの努力やコーチングスタッフたちの献身に対し、感謝のメッセージが選手たちから返ってきたという。
 2020年のサンウルブズは、スーパーラグビーと国内トップリーグの開催時期が重なったこともあり、選手を集めるのに苦労した。それでも、渡瀬CEOいわく、覚悟を決めた選手が国内外から集まり、退路を断って参加してくれた選手もいた。
「そういう思いのある選手が集まった集合体だということが、まとまりのあるチームになれた大きな一因だと思います。のびしろのあるチームだったがゆえに、こういった形でシーズンが終わるというのは、選手・スタッフは本当に無念だったと思います」(渡瀬CEO)

 大久保ヘッドコーチは、選手たちに胸を張ってほしいと伝えたという。2020シーズンのはじめは急造チームで臨んだが、開幕までの4週間、誰一人不満を口にせず、一致団結して2月1日のレベルズ戦(福岡・レベルファイブスタジアム)勝利につながった。コロナで6試合しか戦えず、ラストイヤーは1勝5敗という不完全燃焼で終わったが、「選手、チームの努力が否定されるわけではないと思っています。私自身現場にいて、本当に日本のラグビーの歴史に名をのこすチームだったと思います」(大久保ヘッドコーチ)。

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