コラム
2020.05.26
【ラグリパWest】ラグビー経験で中学生を導く。 東順一 [大阪市立淀中学校教頭]
伝え聞きでは、史上最年少らしい。
大阪市で中学校の教頭に就いたのは36歳。2018年4月である。
東順一は振り返る。
「なった時に、校長先生から『おめでとう、最年少やね』と言われました」
姓は「ひがし」と読む。
管理職に名を連ねて3年目。勤務先は変わらず、淀中学校である。
「教頭になって、転職した気分です」
まんまるの目が細くなる。
専門の保健・体育の授業を持つことはなくなった。校長の尾崎士郎を補佐し、教職員39名をとりまとめる。生徒はもちろん、PTAや地域住民への対応もする。
給食費や修学旅行費を滞納している保護者へ支払いの催促もする。
「事務員の方が一人しかいてないので、僕が手伝います。担任が矢面に立つと関係がこじれてしまうこともあるので」
若さから来るフットワークは軽い。
学校は西淀川区にある。西を兵庫の尼崎、南を大阪湾に接する。最寄り駅は阪神なんば線の出来島(できじま)。北東へ歩いて5分ほどで着く。創立は1947年(昭和22)。区内4校で73年の歴史は最長だ。3学年は各4クラス。生徒数425の中規模校である。
江戸時代、和船を作った伝法(でんぽう)は淀川を挟んで東側。下町の住みやすさもあり、今はルーツを海外に持つ住人も多い。
「言葉をまったく話せない子が転校してくることもあります」
そのため、淀中には日本語教室がある。例外的にこの授業を受け持ったりもする。
東を形作っているのはラグビーだ。
茨田北(まったきた)で競技を始め、東海大仰星、大阪体育と中高大で続ける。
「僕の人生のポイントは2人の先生に出会ったこと。それがなければ、教育現場にいてないと思います」
中高の監督は鳥山修司と土井崇司である。
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