海外 2020.05.25

豪州の若き大物ロッダ、給与カット拒否でレッズ退団。日本ラグビー参戦の可能性も。

[ 編集部 ]
豪州の若き大物ロッダ、給与カット拒否でレッズ退団。日本ラグビー参戦の可能性も。
昨年のワールドカップでは準々決勝を含め4試合先発した豪代表LOアイザック・ロッダ(Photo: Getty Images)


 オーストラリアラグビー協会とクイーンズランドラグビー協会(レッズ)は5月23日、新型コロナウイルスの影響による給与カットを拒否した3選手、アイザック・ロッダ、ハリー・ホッキングス、アイザック・ルーカスに対し、契約を解除したと発表した。

 オーストラリアラグビー協会は昨年、同性愛者などを中傷する差別的発言をおこなったトップスターのイズラエル・フォラウを解雇し、もめて数億円といわれる和解金を支払うことになり、さらに今年は新型コロナウイルスの影響で財政状況が深刻化。年内残りのシーズンの試合が全部おこなわれない場合、同協会は1億2000万ドル(約84億円)の収益損失を予測しており、経費カットのためスタッフの75パーセントを一時解雇、国内プロ選手の給与についても9月末まで平均60%削減することで選手協会と合意している。

 ロッダは身長202センチ、体重119キロの運動量が多い大型ロックで、23歳という若さから将来のオーストラリアラグビーをけん引するひとりと期待されてきた。昨年のワールドカップにも出場し、これまでオーストラリア代表で25キャップを獲得。オーストラリアラグビー協会およびレッズと2023年末まで契約を結んでいたが、今回の騒動により、彼のインターナショナルキャリアを心配する声が上がっている。

 現地メディアの報道によると、ロッダはレッズのブラッド・ソーン ヘッドコーチと対立し、国内のライバルチームへ移籍することを模索していたと言われている。一方、日本やフランスが彼の目的地になるという見方もある。世界中の多くのラグビー選手は新型コロナウイルスの影響で給与の大幅削減を求められているが、日本のチームに所属する選手たちはお金の面でほとんど影響を受けていないとも言われており、その点でも、ジャパンラグビートップリーグは魅力的なのかもしれない。

 オーストラリアラグビー協会のロブ・クラークCEOは、「誰もが気づいているように、新型コロナウイルスの影響はあらゆる国、あらゆる業界で生じており、ラグビーも例外ではない。オーストラリアの189人のプロラグビー選手はこの前例のない状況に対処できるよう、一定期間の減額を受け入れた。しかし、クイーンズランド(レッズ)の3選手は、これらの条件を受け入れないことを選択した。彼らが海外に行きたいなら、それは彼らの決断だ。私たちの理解では、日本にある程度の関心があるかもしれないが、それは私たちの知る限りではない」とコメントしている。

 レッズを含むオーストラリアのスーパーラグビーチームは、7月上旬に開幕を目指す国内大会へ向け、チームトレーニングを再開している。

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