今は、アタマの部分を鍛えています。新・都立大ラグビー部の取り組み。
藤森氏は長崎のラグビースクールで楕円球と触れた。地元の中学を卒業すると幼馴染と一緒に早大学院へ国内留学。早稲田ラグビーに触れた。2004年に早大入学、「実力は3軍、4軍クラス」。同期にはジャパンのジャージを着ることになる畠山健介、五郎丸歩らそうそうたるメンバーがいた。
卒業後、大学院に通いながら早大コーチを務める。2010年、大阪の早稲田摂陵高監督に就任した。「素人集団を激戦区の大阪で決勝に進めるにはどうすればいいか」、ゴールを設定し考え続けた。その成果は2016年11月、「第96回全国高校大会 大阪第2地区予選決勝」へ。結果は常翔学園に7-69で敗れたが足跡を残した。
2019年春に高校を退職しプロのラグビーコーチへ。恩師・中竹竜二元早大監督が代表を務める一般社団法人スポーツコーチングJapanに参加。日本ラグビー協会技術委員会ユース部門でも教える。昨年度は、全国地区対抗関東1区2部の国際基督教大(ICU)を担当、2位まで引き上げ念願の1部2部入替戦へ。1部4位の東京外国語大と対戦、後半逆転され22-33で涙を飲んだがこちらも素人集団と一緒にラグビーの楽しさを味わった。
昨年12月12日、当時4年生の首都大部員から請われ、その部員のコーチングをコーチした。その際に練習したのが首都大3年部員たち。「1回限定で来てもらったのですが『そのプレーはどういう意味を持つの? なぜプレーしたの?』と選手たちに問い考えさせて答えさせていました。そこに手ごたえ、『アタマを使うラグビー』を感じた」(福原)。
首都大は2014年、5部の時にOB会がテコ入れし西山淳哉氏(日本IBMラグビー部在籍、三菱重工相模原などでプレー)をコーチに招いた。途中から西山氏の伝手で元中大監督、岩崎誠氏も指導に加わった。その成果は翌年度5部優勝、入替戦も制し4部へ。2年後の2017年度は4部優勝、入替戦も勝利で3部昇格と順当に進んできた。2020年度は西山氏との契約が切れるため新4年生たちが「コーチ無しで送る」「新しいコーチを依頼する」で話し合った。偶然だが一度の出会いで藤森氏のラグビー理論に共感し就任をお願いした、という。