コラム
2020.05.02
ラグビー金言【3】そこにあるボールにボーンと飛び込めるか。
現在、日本ラグビー協会のトップに立つ森重隆会長は、長く、母校でもある福岡高校のラグビー部監督を務めていた。
日本代表の主将を務め、同代表キャップ27。新日鐵釜石時代は5度の日本一に貢献している。
森硝子店の社長を務めながら、情熱的に教え子たちを指導していた頃の金言。あの福岡堅樹も、この人の指導を受けたひとりだ。
2006年の春に発行されたラグビークリニック」の「COACHING MY WAY」から。
【森さんの金言】
◆(劣勢になった)試合中に、いまから気合いを入れ直していこう…なんて言っても間に合わない。やっぱり、試合前までにどうなっているか。もちろん、気合いだけで勝てないのは分かっています。でも、そこにあるボールにボーンと飛び込めるか。その気持ちを作れるかなんですよ。
◆タックルで逃げない。目の前のボールに飛び込む。それが生き方につながる。
◆ラグビーはいいもんですよ。(当時の福岡高校が出場した全国選抜大会の)敗者戦、負けたもん同士の試合で勝って、隣りの部長に思わずガーッと抱きつく。子どもたちがその気になる。一生懸命にやる。その姿を見て、今度は親たちも変わる。これほどのスポーツはなんなんだ、と、あらためて認識する。自分の子どもが卒業しても応援に来てくれる。ラグビーが衰退するという意見もあるけど、高校ラグビーがある限りはそうはならないよ、絶対に。
◆釜石で学んだのは、勝とうと思わなきゃ勝てない、ということ。結果はあとからついてくる、では勝てない。自分たちのラグビーをすれば勝てる、ではなく、それ以上の気持ちを持っていないと勝てない。