「狼に食べられないように」外出制限下のトゥールーズより。
フランスのシーズンは長く、試合数も多い。特に今年は、昨季のTOP14で優勝した後、すぐにワールドカップ準備合宿に入り、大会ではフランスチームの全4試合に出場。ワールドカップ期間中、フランス代表に8人、そして南アフリカのチェズリン・コルビと主戦力を欠き、昨年度チャンピオンは今季苦戦していた。日本から帰国後、チームの戦列に合流して順位を上げなくてはならなかった。息つく暇がなかった。
「ワールドカップ期間中に家のリノベーションをし始めて、まだ完全に終わっていない。今の世の中、庭づくりや大工仕事、電気関係など、すぐに電話して業者に来てもらうけど、今は誰にも来てもらうことができない。お陰で、想像力を使いながら自分の手でするようになった。若い頃を思い出して楽しい」
——家事もする?
彼のパートナーのクレマンスが、「料理は彼がすべてしてくれてるわよ!」と答える。本人が、「体重を増やさないように気をつけているから、ローファットのアスリート食だけどね」と付け足す。
——フィジカルやメンタルは維持できていますか。
「外出制限が始まった時に、チームがウェイトの器具を貸し出してくれた。チーム内のつながり、またチームに関わる全てのスタッフとの輪を維持するために頻繁にビデオ会議があり、チームの会長と選手とのオンラインでのアペリティフ(軽い飲み会)もある。また選手をいくつかのグループに分けて、例えばストレッチ100点、腹筋100点、カーディオ400点というように点数を集め、週ごとに最も点数が多いグループが勝ちというゲームもしている。スタッフがうまく工夫してくれていて、選手同士のつながりやチームの一体感も維持できているし、全員がオンの状態でいられる」
メンタルは、ワールドカップ期間中もしていたように瞑想をしている。チームからも、メンタルプレパレーションのメニューを与えられている。