コラム
2020.04.02
【コラム】苦しい時こそ。
Jスポーツでは、各大会の中止でラグビーロスになっているファンへ向け、ラグビー史に残る激闘をプレーバックする「日本ラグビー名勝負!」なる企画がスタートした。ありがたい。先日何気なしにテレビをつけたら、2015年の日本代表対南アフリカ戦が流れていて、たちまちあの時の興奮がよみがえった。さっそく放送予定を確認すると、トップリーグ2008-2009シーズンプレーオフ決勝の東芝−三洋電機(東芝主将廣瀬俊朗の大活躍)や、2010-2011シーズンの同決勝サントリー−三洋電機(三洋電機初の単独優勝、SOはトニー・ブラウン!)、第92回全国高校大会3回戦の伏見工業−深谷(FB松田力也とSO山沢拓也の対決)など、タイトルだけで胸躍るようなカードばかりだ。自宅で過ごす時間を充実させるために、ぜひチェックされたし。
最後に、唐突だが、昨秋のラグビーワールドカップ準々決勝、対南アフリカ戦のワンシーンのことを記したい。日本代表の快進撃が止まったあの試合の、個人的ベスト・メモリーである。
3-26で迎えたラスト数分。すでに勝敗の行方は決まっていたのに、ジャパンの勇士たちは鬼気迫る形相で南アフリカの猛攻にタックルで刺さり続けた。あきらめとは無縁のその姿に、彼らが勝敗を超えた何かもっと大きなもののために戦っているのを感じた。
誰ひとり自分勝手なプレーに走らず、チームのために最善を尽くす。あの姿勢こそ、いま求められていることではないか。