海外
2020.02.13
【コラム】狼たちの躍動を見よ。
この白星は、単なる1勝にとどまらない価値をサンウルブズにもたらすだろう。きちんとステップをふめば、これまで勝てなかった相手にも勝利できる。ボールインプレーの時間を長くしてスピードで上回るスタイルが自分たちの武器であることも、あらためて実感できた。ワールドカップをきっかけに爆発的に増えた新しいファン層に対し、サンウルブズのゲームを見る楽しさをアピールすることにもなったはずだ。
むろん試練は続く。スーパーラグビーの本当の厳しさを味わうのは、むしろこれからだろう。一方で、そうしたタフな環境で戦っていくことが、選手を飛躍的に成長させるのも事実だ。その成長を求めて険しい道のりを歩む決断をしたのが、今季のメンバーたちでもある。
共同キャプテンに指名された森谷圭介のハツラツとしたアタック、最終選考でワールドカップスコッドから外れた布巻峻介のブレイクダウンでの存在感は、スーパーラグビーで戦うことの価値を如実に表していた。このレベルでも力が通用することを証明したCTBシオサイア・フィフィタ、SH齋藤直人ら大学生たちの堂々たるプレーぶりも頼もしい限りだ。ハングリーで可能性に満ちた狼たちが、どのような成長を遂げていくのか。楽しみに見つめていきたい。