セブンズ 2020.01.21

東京五輪見据える中村知春、豪州大会へ意気込む。「そろそろトップ8にブレイクしないと…」

[ 出村謙知 ]
東京五輪見据える中村知春、豪州大会へ意気込む。「そろそろトップ8にブレイクしないと…」
2年ぶりのシドニーで8強入りを目指す。写真は2018年にコアチームとして出場したときの中村(撮影:出村謙知)


 20日、女子7人制日本代表“サクラセブンズ”がワールドセブンズシリーズのシドニー大会(2月1、2日=招待参加)のため、オーストラリアに向けて出発した。
 2シーズン続けて同シリーズのコアチームの座を確保できていないサクラセブンズとしては、7月の東京五輪に向けて世界トップ国と戦える貴重な機会となる。

 昨年12月からナナイロ プリズム福岡のGM(兼選手)に就任し、シドニーへの出発直前の週末に福岡・久留米で行われた同チームのトライアウトにも立ち会うなど活動の場を広げている、サクラセブンズの中心メンバー中村知春に女子7人制代表強化の現状とシドニー大会への抱負を聞いた。

−−ワールドシリーズとしては12月初旬のドバイ大会(招待参加=12チーム中12位)以来となりますが、勝ち星を挙げられなかった同大会のあと、どのような点にフォーカスして強化をしてきて、シドニーではどういう戦いをしたいと思っていますか。

中村「ドバイでは、アタックでのボール継続にフォーカスした戦いをして、できた部分もあったが、フィニッシュのところで詰めが甘く、トライしきれないという課題が残った。ドバイ以降はフィニッシュの部分の集中力、精度といった課題に取り組んできて、シドニーではたとえば誰かがハーフブレイクした時に、全員が冷静にいい判断をしてトライにつなげられるようなアタックをしていきたいと思っています」

−−遠征直前に行われたグアム合宿(1月5〜14日)では、強度が高い、追い込むようなメニューも多かったとも聞いています。

中村「いままでの合宿の中でも物理的に強度が高いものでした。私自身は、この時期にしか追い込めないというスタッフの説明もあって、納得して取り組んだんですけど、その反面、戦術まで落とし込めているのかという不安はあります。コンディションの問題もあるでしょうし、メンバー的にも若い選手が多いので、今大会のパフォーマンスという面では不安が残る部分も正直言えばある」

−−新しいメンバーに関しては、どのような印象を持っていますか。

中村「高い強度のトレーニングが続く中で、メンタル的にも、フィジカル的にも結果を出してチャンスをつかんだわけで、評価できるメンバーだと思っています。世界レベルでいいパフォーマンスを出せるように、良さを引き出してあげないといけない」

−−そんな若手も含めて、シドニー大会でキープレーヤーになってもらいたいと思っている選手を挙げてもらうとすると。

中村「中堅選手というか、ずっとチームを引っ張っていってくれているライチェル(バティヴァカロロ ライチェル海遥) のリーダーシップは頼りにしている部分ですし、白子(未祐=24歳/ワールドシリーズ出場経験なし)、弘津(悠=19歳/ドバイ大会に出場)の勝負強さにも期待しています」

−−現役を続けながら、新しくできたナナイロ プリズム福岡のGMとしての活動もされています。

中村「マネジメントの部分でバタバタしながら経験を積ませてもらって、改めてサクラセブンズのスタッフの方々への感謝を痛感してもいます。とても忙しい日々を過ごす中で、少しは余裕が出てきたというか、少々のことでは動じなくなったのはプレー面でもプラスかな(笑)、なんて感じたりもしています」

−−サクラセブンズとしてのシドニー大会での目標を。

中村「トップ8入りというのは変わりません。東京オリンピック前に世界レベルで戦えるチャンスは数少ないわけで、そろそろトップ8にブレイクしないとオリンピックでメダルに届かない。そこはシリアスに捉えています」

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