国内
2020.01.12
自信をつなぐ開幕戦。東芝らしさ体現
「どうして彼がこのチームのキャプテンなのか。皆さん分かったのではないでしょうか。きょうのプレーが教えてくれています」
迷いのない持ち出し、ラックの影から現れたロケットのようなアタッカーは、一瞬、相手のディフェンダーを混乱させた。チームの意思統一が生んだシーンだ。そして、ラックからそれほど素早くボールが出てきたのは、コンタクトエリアを優位に運んでいたからだ。
「いいスタートが切れてうれしい。このチームは、みんなで作ってこられたのがいいと思っています」
小川本人は、強気なプレーとは対照的な穏やかな口調で、仲間を誇った。
カップ戦で4強入りし(*)、昨季トップリーグ を振り返って指摘したのは、チームに漂う自信のなさだった。曰く、どこか半信半疑。それがカップ戦で半分払拭された。その自信を広げ、高めるのが中断中の宿題だったが、新指揮官の励ましを受けてチームはもう一段上に引き上げられた。
「システムも含め、トッドさんは、東芝の良さが生きるコーチングをしてくれる」(知念)
この日、要所でチャンスを作ったオフロードパスも、現象を見れば、かつて東芝が他に先駆けて唱えた「スタンディングラグビー」だ。
ボーナスポイントよりも、FWを前に出す勢いを大事にした小川のプレー選択は、今、積み上げたいのは自信だというチームのハングリーさを象徴している。「あの時は、ただ、もっとFWでゴリゴリいきたいと思っていました」
ゲーム運びの修正はこれからにとっておこう。15節の長い旅が始まった。
*東芝のカップ戦の戦績を修正しました。お詫びして修正いたします。重要な戦績の誤記、誠に申し訳ありません。