国内 2020.01.12
自信をつなぐ開幕戦。東芝らしさ体現

自信をつなぐ開幕戦。東芝らしさ体現

[ 編集部 ]

 PR知念雄は後半33分に交代出場。終了の笛が鳴った瞬間、拳を握って歓喜の雄叫びをあげた。

「リスペクトしている相手なので自然に出ました。相手が14人になってからは特に、自分たちのアタックをしていればきっと通じると思えた」

 激しいコンタクト、攻めても守っても前に出る……その姿勢には、かつての強い東芝の匂いがあった。

 瀬川智広監督が指揮を執った今季カップ戦で4強入りし(*)、直後にブラックアダーHCを招き入れて入念な準備を重ねた。元NZ代表、南半球スーパーラグビーと英国プレミアシップで実績をあげた指揮官が植え付けたものは何か。

 この日をリザーブで迎えた知念だが、チームの意思ははっきりと言葉にできた。

「自信です。信じること。トッドさんと新しいコーチングスタッフは、東芝のラグビーの文化に自信を持ってと、繰り返し訴えかけてくれました」

 出色の動きでチームの攻守のトリガーとなっていたのはSH小川高廣・共同主将。7−7で迎えた前半41分のアタックは目の覚めるようなスピードと方向転換が見られた場面だった。トライを決めた小川だったが、素晴らしかったのはその前のボールさばきだ。連続攻撃のラックから出てきたボールを、加速しながら拾って真横に走った。走るコースと同一線上に発射されたパスの先には、やや流れるようにボールを受けたCTBティム・ベイトマン。膝を抜くような動きで相手タックラーの腰をぐらつかせ、また一気に外へ加速して置きざった。ゴール直前にできたラックから、小川がパスをちらつかせつつインゴールへ躍り込んだ。

 小川はここぞのディフェンスでもチームを引っ張り、さらに2トライを加えてこの日のマン・オブ・ザ・マッチを受賞。ブラックアダーHCは記者たちに小川を誇った。

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