国内 2019.12.29

次は優勝候補の桐蔭学園。長崎北陽台のエース、山口泰輝の心境は?

[ 向 風見也 ]
次は優勝候補の桐蔭学園。長崎北陽台のエース、山口泰輝の心境は?
第99回全国高校大会。1回戦から躍動した長崎北陽台の山口泰輝(撮影:松村真行)


 昨季の全国高校ラグビー大会で公立校唯一の8強入りを果たした長崎北陽台が、12月27日、今年の同大会の初戦を制した。大阪・東大阪市花園ラグビー場の第3グラウンドで群馬の桐生第一を53-0と破る。山口泰輝が躍動した。

 身長177センチ、体重83キロ。15人制では高校日本代表候補に名を連ねる3年生FBは、7人制でもセブンズユースアカデミーにピックアップされるなど走力が買われる。

 この日は「マークされることは監督からも言われてわかっていたので――前半も行けるところは行こうとしましたが――勝負は後半、でした」。前半終了間際に好パスでWTBの山田駿也のトライを演出したが、本領を発揮したのはハーフタイム以降だった。斜め横に流れるように走りながら、目の前に隙間を見つければ一気にギアを入れる。

「まず、スペースを見る。間合いを見る。空いていたらトップスピード」

 43-0と大量リードして迎えた後半19分には、自陣22メートルエリア中央で相手キックを捕球するやチェイスラインの穴を突いて敵陣ゴールエリアまで駆け抜ける。トライ。2007年度以来の4強入りに向け、好発進した。

 30日の第2グラウンドでの2回戦では、春の選抜大会、夏の7人制大会を制した神奈川の桐蔭学園とぶつかる。

「自分たちの目標がベスト4以上。全部のタイトルを獲っている桐蔭さんに挑戦できるのは嬉しいこと」と意気込み。「堅守速攻。ディフェンスで流れを作っていきたいです」。わずかな好機をものにしたい。

「最初、組み合わせを見た時は『お、桐蔭か…』というところもあったとは思うのですけど、自分たちの目標を達成するには勝たなきゃいけない相手。後々に当たるより、早く当たって倒したいです」

 14時半キックオフの60分を、心待ちにする。

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