【ラグリパWest】2年目の成長。 第56回大学選手権代表決定戦から
第56回大学選手権の東海・北陸・中国・四国の代表決定戦が11月16日、岐阜県の長良川球技場メドウで行われ、朝日大(東海・北陸代表)が環太平洋大(中国・四国代表)を55−5(前半19−0)で破り、8大会連続8回目の本大会出場を決めた。
岡山県にある環太平洋大は英語の頭文字(International Pacific University)からIPUとも呼ばれる。
ラグビー部創部は開学と同じ2007年。13年目に入った。
現在の監督はFLとして日本代表キャップ4を持つ小村淳。2年目を迎えている。
この日、地元・岡山からはバス3台に分乗した学生ら150人が5時間かけ、岐阜入りをした。しかし、その応援にチームは応えることはできなかった。
「もっとやれると準備してきたつもりでしたが、僕を含めチームの甘さが出ました」
49歳の小村は経験を歓喜に変えられず落胆する。これまで指導を施したチームは社会人・トップチャレンジの釜石シーウェイブスや母校の明大など両手に近い。
ただ、進歩がないわけではない。
小村が着任した昨年は同じ相手に59−17。点数の差はあまりないが、昨年の前半は40−5。今年は19−0。最初の40分は戦えた。
「去年は前半で終わっちゃったから」
小村は振り返る。
健闘は敵将も感じていた。
0−7だった前半29分には、朝日大監督の吉川充がベンチまで降りてくる。それまでは、スタンドの上から指示を送っていた。
圧勝でしたね、という質問に即答する。
「いやいや。IPUはチームとして強くなっています。いい選手を獲っている。ウチが声をかけた選手数人も入学しています」
環太平洋大には今年、初の外国人留学生が入部した。ニュージーランド出身のティエナン・コステリーとマイカ・ナシラシラだ。
FLのコステリーはスーパーラグビー、ブルーズのU18に選ばれた。アイランダー系のナシラシラはCTBで突破力に富む。
指導陣も整いを見せる。今年4月にコーチの富川昂、フィットネスなどを高めるS&Cコーチとして高山慎が加わった。
富川は昨年度、明大のアシスタントコーチとして監督の田中澄憲を補佐し、22大会ぶりの大学選手権制覇に貢献している。
ただ、朝日大は環太平洋大を上回る3人の留学生が先発していた。さらに、大学選手権は今回を含め8大会連続で出場している高い経験値がある。
主将の町野天は敗因を分析した。
「緊張感から空回りしてしまいました」