国内 2019.10.31

ジウォンとマノ。肩の力を抜いて、地元でW杯報告。

[ 編集部 ]
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ジウォンとマノ。肩の力を抜いて、地元でW杯報告。
チームマスコットのヒートくんの左が具智元、右がレメキ ロマノ ラヴァ。(撮影/松本かおり)



 世界を驚かすスクラムを見せたPRはラーメン。力強いランニングで何度もゲインしたWTBは寿司と答えた。

 日本代表の躍進に貢献した具智元とレメキ ロマノ ラヴァが10月31日、所属するHonda HEATでワールドカップの報告記者会見を開いた。
 会の冒頭に、前田芳人GMから「ふたりとも取材にひっぱりだこで、(地元での報告会が)きょうになってしまいました」と挨拶があった。史上初の準々決勝進出を果たして大きな注目を浴び、多くの選手たちが各メディアに登場しているジャパン。2人も例外ではない。

 地元記者に「鈴鹿に戻ったら食べたいと思っていたものは」と問われ、冒頭のように話すなど和やかな空気の中で会見はおこなわれた。
 ちなみに、具のお気に入りは「天下一品」。レメキは「焼肉もいいな」と、いつも通りマイペースだった。

 ふたりとも、残した結果に満足はしていないが充実は感じていた。
 具は「目標としていたベスト8に入れたのは嬉しかった」と話し、もっとも印象に残っているプレーを聞かれ、アイルランド戦で相手反則を誘った自陣でのスクラムを挙げた。
「アイルランドに勝ち、すごく嬉しかった。あの試合のスクラムで、相手の反則を誘ったシーンがあった。逆だったら、PGで得点されている場面。思わずガッツポーズが出ました」

 レメキは開幕から3試合連続で先発し、サモア戦ではプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれながらも大会中にトライを取れなかったことに触れ、「(ロシア戦では)自分の方でだいぶディフェンスを崩した。そのあと、松島(幸太朗)が3つトライを奪った」と報道陣を笑わせた。
 通常は1試合で6キロ強を走るが、アイルランド戦ではキックチェイスなどオフ・ザ・ボールの動きが多く、約8キロの運動量だった。
「コンタクト数もFWより多かったよ」

 ふたりとも、「応援がとても大きな力になった」と話した。
「鈴鹿に戻ってきて、多くの人たちに、見ていたよ、よかったね、と声をかけてもらった」と具。
 レメキは、「アイルランド戦の終盤はみんな足がつっていた。最後の5分、10分は、声援に後押しされて走れたようなもの」と満員のスタジアムを思い出しながら語った。
「トップリーグも、たくさんの人たちに観てもらいたい」
 ふたりは、そう口を揃えた。

 ワールドカップの決勝、イングランド×南アフリカは11月2日におこなわれる。準々決勝の試合後にHondaのチームメートでもあるRG・スナイマンとジャージーの交換をしたレメキは、決勝当日、それを着てテレビの前で応援するそうだ。
「彼は、大きく、速い。ひとりで試合の流れを変えられる。一緒にプレーしたことのある選手の中で、いちばん凄い。きっと勝ってくれる」
 具も自分たちを倒した南アフリカを応援するようだ。

 会見後には、練習を終えた仲間たちから花束を贈られるサプライズが待っていた。
 選手を代表し、小林亮太主将が「レメキは約束したトライこそ取れませんでしたが、代わりにプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍を見せてくれました。具は世界に通用するスクラムで活躍してくれました!」とふたりをねぎらい、力を合わせてトップリーグを戦うことを誓った。

仲間から祝福されて感激。(撮影/松本かおり)


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