コラム 2019.10.25

【ラグリパWest】関西でもラグビーのために。水間良武/神戸製鋼普及育成アドバイザー

[ 鎮 勝也 ]
【ラグリパWest】関西でもラグビーのために。水間良武/神戸製鋼普及育成アドバイザー
神戸製鋼の普及育成アドバイザーに就任した水間良武さん。U20日本代表監督と兼務する。



 水間良武(みずま・よしたけ)は20歳以下日本代表(U20)の監督である。

 このほど、兼務を決めた。
 加わった肩書は「普及育成アドバイザー」。トップリーグ名門の神戸製鋼の一員になる。

「好きで始めたラグビーをもっともっと好きになって楽しんでもらえたらいいな、と思います。その手助けですね」

 水間は普段よりさらに目を細める。
 生まれ育った関西の地で、ターゲットに据えるのは少年少女だ。
 ラグビースクールや高校、大学に向けた技術指導から、戦術や戦略まで、41年の人生で培ったものを若い世代に伝えてゆく。

 チームへの指導は従来通り現体制、総監督のウエイン・スミスを筆頭に行われる。
「もちろん、現場から要望があればお手伝いをすることはあるでしょうね」
 それでも、現役のU20監督の招へいは、昨年度トップリーグ、今年度カップ戦を制した深紅の盤石さに映る。

 神戸製鋼は社会への奉仕活動の一環としてラグビーの普及・発展に力を入れる。企業が文化振興に協力するメセナのスポーツ版だ。その先端に水間がいる。

 現場責任者、チームディレクターの福本正幸は説明する。
「底辺の拡大ですね。彼の活動を通して、神戸製鋼という会社を身近に感じてもらえたら。そして、ご縁があればウチのチームに来てもらえたらいいな、と思っています」

 すでに好例がある。
 神戸製鋼の若手は10月4、11日の2日間、関西学大と合同練習を行った。
 FWはスクラムを組み、BKはOBのSH徳田健太、SO清水晶大がパスなどを教えた。

 水間をはじめ首脳陣は、朝7時に関西学大のある西宮にやって来た。福本をはじめチームマネージャーの藤高之、採用を担う平田貴博、アシスタントコーチの森田恭平らが顔をそろえる。

 フロントロー出身の水間はスクラムにつく。セッションは1時間以上続けられた。
 空き時間を利用して、大学生にアドバイスを送る。

 主将のPR原口浩明には感謝がある。
「目線の位置を教えてもらえました。相手のLOのつま先を見る。そういうアドバイスは初めてでした。新しい発見でした」
 いいポジションを取れて、押せるのに浮いてしまう。それでは前に出られない。その解決策を示した。目を前方下に向けることにより、胸が張られ、低い姿勢は保たれる。


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