コラム 2019.10.16

【ラグリパWest】ワールドカップがやって来て。 田中康憲 兵庫県ラグビー協会会長

[ 鎮 勝也 ]
【ラグリパWest】ワールドカップがやって来て。 田中康憲 兵庫県ラグビー協会会長
兵庫県ラグビー協会のトップ、田中康憲会長(左)。右は元同僚の息子でもある武藤暢生理事(灘中高監督)。2人を含め協会役員はワールドカップのために尽力した



 田中康憲は教育畑出身である。
 高校の校長として60歳定年を迎えた。
 今は生まれ育った兵庫県のラグビーの普及・発展のために協会会長として尽力する。

「私はなんにもしてませんよ。みんながやってくれます。まあ、怒られて、すみでタバコを吸うてる感じです」
 眼鏡の奥の目は笑う。冗談が好きだ。

 県庁所在地の神戸市はこのワールドカップで開催12都市のひとつに選ばれた。
 9月26日のイングランド×アメリカを皮切りに、スコットランド×サモア、アイルランド×ロシア、南アフリカ×カナダの4試合が御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸)であった。

 田中は役務で加わる。
「みなさんのアテンドですね」
 県知事の井戸敏三、上部組織である関西ラグビー協会の会長・坂田好弘、副知事や副市長らが過ごしやすいよう心を砕いた。
「サモア協会の会長とも名刺交換しました」
 柔らかい雰囲気は万国共通で伝わる。

 ワールドカップを子供のように喜ぶ。
「迫力は半端じゃない。臨場感はすごいです。スキルやコンタクトを間近で見られます」
 この球技場は設計段階で平尾誠二も助言した。神戸製鋼のGMは生前言った。
「テレビ中継に勝つには臨場感なんや。目の前で選手が体をぶつけ合い、その音がじかに耳に届く。それが大切なんやで」
 ピッチからわずかで観客席があり、仕切り壁も低い。平尾の意図は生きている。


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