日本代表の稲垣は「ディシプリン」に注意。アイルランド代表戦へ展望。
ラグビー日本代表は9月28日、ワールドカップ日本大会のプールA・第2戦に挑む。
27日には会場の静岡・エコパスタジアムで試合前日練習をおこない、左PRで先発の稲垣啓太が会見。2018年の欧州王者であるアイルランド代表とのゲームへ、「ディシプリン」が肝だとした。
ワールドカップへは2大会連続出場中の稲垣。2017年の直接対決時に2連敗したアイルランド代表を前に、注意すべきは「ディシプリン」。チャレンジャーの立ち位置にあってティア1と呼ばれる強豪国を倒すには、順法精神の徹底がマストだとした。
「僕が大事に考えているのはディシプリン(規律)を守ることです。ひとつのペナルティが陣地によっては3点(ペナルティゴールによる失点)につながります。特にティア1が相手だとこちらがスコアするチャンスは少なく、(相手に取られる)3点は後々、効いてくる。アイルランド代表はセットピース(スクラム、ラインアウト)が強いので、ペナルティを与えればゴール前で(ラインアウトからの)モールを組まれることも。いいキッカーもいるので3点を…というふうにもできる。その選択肢を与えないのが、大事なんじゃないですかね」
特に、攻防の起点となるスクラムには注意を払う。
「アイルランド代表はスクラムで反則を狙ってくる。そこにプライドも持っている。僕らはペナルティを与えないスクラムを組む。そのために我々も、攻める必要がある。そう感じますね。スクラムで言える範囲はなかなか少ないんですけど…。(攻めるとは)マインドの部分でもそう。ディテールにこだわって準備してきたので、それを出していきたい」
開幕戦でロシア代表に30-10で勝利。緊張からミスを連発した選手もいたが、動じなかった稲垣は「マイナス要素に目線が行きますが、トータルで数値を見たらそこまで悪くない」と総括する。アイルランド代表戦ではFLのリーチ マイケル主将がベンチスタートとなり、同じFLで今年代表入りのピーター“ラピース”・ラブスカフニがゲーム主将を務める。リーダー陣の1人でもある稲垣は、当日の試合運びは問題ないとする。
「ラピースは素晴らしいキャプテンシーを持っていて、彼の言葉には皆が耳を傾けます。そして後半の苦しい時間帯にリーチさんが入ってくる。理想的な展開なんじゃないですかね」
この日は練習の締めに、スクラムの際の感触を確かめる。当日に履くスパイクのポイントについてこう言及した。
「このグラウンドであれば、そこまで長いものを履く必要はないと僕は感じています。僕は短いもの、長いもので計2足――時には中くらいのものを含めた3足――を会場に持っていきますが、(きょうは)芝生のチェックをして、LOの足が滑っているから、『もう少し長いのにしておけよ』と、特にヴィンピー(・ファンデルヴァルト)には言うんですけどね! …と、ジョークも出るほどチームの雰囲気はいいということです」
めったに表情を変えない戦士。猛者とのバトルにも冷静に挑む。