国内 2019.09.15

こだわる「ディテール」。明大が2試合連続で100点ゲーム。

[ 向 風見也 ]
こだわる「ディテール」。明大が2試合連続で100点ゲーム。
日体大戦で力強くボールキャリーする明大主将のHO武井日向(撮影:中島光明)

 103-0。「ディテール(細部)」に焦点を当てた明大が日体大を圧倒。加盟する関東大学対抗戦Aを開幕3連勝とした。

 9月15日、会場の栃木・足利市総合運動公園陸上競技場は最高気温30度という猛暑に見舞われていた。勝った田中澄憲監督は、西日のもとでノーサイドを迎え「暑いなか最後まで選手たちが意識してやり切ってくれた」と総括。この日はご当地選手だった國學院栃木高出身の武井日向も、前節の成蹊大戦が139-5だったのを受けこう話した。

「80分間、集中力を切らさずにシャットアウトできた。最後まで声を出し続けていて、成蹊大戦からの全員の成長を感じられました」

 2年連続での大学日本一が期待される明大は、序盤からエリアを問わずボールキープを意識。大外で数的優位を作れば、短く手渡しするハンズパス、選手の手前を通過させるカットパスを、防御の出方に応じて使い分ける。

 コンタクトをすれば地面で身体を回転させ、相手のボール奪取を制御。ミスで日体大にボールを与えても、直後の勤勉な防御でターンオーバーを決めた。相手のラインアウト時にスティールを決めたLOの片倉康瑛は、指揮官が示した「ディテールにフォーカス」というテーマをこう解釈していた。

「すべての細かいこと(を意識する)。ブレイクダウン(接点)で(絡みつく相手を)最後まで倒し切るスキル。ボールキャリアのグラウンドワーク(倒されたランナーによる適切なボール供給)。タックルで倒し切ること。ディフェンスラインが(攻防の境界線より)50センチ下がること。…あと、一番は、イーブンボールです。(相手の)ミスしたボールを拾うことです」

 14-0で迎えた前半21分頃には、FBの雲山弘貴が自陣深い位置からロングキック。自ら弾道を追って、捕球した相手の蹴り返しに手を当てた。続けて明大は、敵陣22メートル線付近での相手ボールラインアウト後の攻防で攻守逆転。左から右へ展開するなか、CTBの森勇登は自ら球をさばいた方向へ回り込む。突破を図った雲山から再度パスを受け取り、さらに右へつなぐ。WTBの矢野湧大のトライなどで21-0とリードを広げた。

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