こだわる「ディテール」。明大が2試合連続で100点ゲーム。
ハードワーカーの森はその後もミスボールへの反応や緩急自在のステップで際立ち、前半36分、同ロスタイム46分と続けてインゴールを割った。
SOの山沢京平は、時間を重ねるごとに左右へのパス、防御の背後への短いキックなどでスコアを演出。ランでも際立ち、対するCTBのクリスチャン・ラウイのタックルへ当たる際も抜群のボディバランスとハンドオフの技術で芯から逃れた。
これが、ラグビーワールドカップ日本大会開催による中断前最後の試合となった。以後、約1か月半、主力組の公式戦はおこなわれないなか、司令塔の山沢は「ラグビーの理解度、スキル、フィジカル……。一人ひとりがレベルを高める」と先を見据えた。
「前半戦で出た勢いは保って、課題をしっかりつぶす。それで、後半戦で新しい課題が出るように……というイメージです。去年と違って追われる立場。相手がどうこうよりも、一日、一日、自分たちにベクトルを向け、そのうえで相手がどうしてくるか(を注意する)」
田中監督は、「ワールドカップ期間中はジュニアのゲームもある」。控え選手の出るジュニア選手権を通して「チーム全体のレベルアップをしていきたい」とし、主力組へは天理大などとの練習試合を組んだ。
「(トレーニングでは)ゲームで必要とされるものに着手したい。今日ディテールにこだわった理由は、自分たちにフォーカスを当ててラグビーの本質的な部分をレベルアップさせないと2連覇は見えてこないから。そこにはこだわる」
緻密に設計された大方針のもと、新シーズンからSOを担う山沢は「試合のなかで、時間帯、点差、相手や自分たちの疲れ具合を見てゲームの運び方を調整するところ(が課題)」と深い洞察と思慮に基づくプレー選択を極めたいとする。
空中戦の軸となる片倉も「ラインアウトではプレッシャーがあると球が遅れて捕りづらかったりした。(場合によっては)それでパニックになる。練習からもっと試合を想定してやりたいです」と続ける。個々がチーム強化に当事者意識を持つなか、船頭役の武井は非レギュラー組も巻き込み練習を盛り上げたいと言った。
「日頃の練習に波があったらいけない。4年生がそれを態度で示せるかが大事です。それはAチーム(主力)かどうかに関係なく、です。チーム一丸となってやっていきたいです」
シーズン再開後の初戦は11月4日、東京・上柚木公園陸上競技場で青山学院大とおこなう。以後は昨季の対抗戦での序列で明大(4位扱い)より上にいた慶大(3位扱い)、帝京大(1位扱い)、早大(2位扱い)と順に戦う。