優勝候補イギリス、フィジーが大勝で初戦飾る。国際防衛ラグビー競技会開幕
第3回となる、世界の10カ国軍ラグビー部が戦う「国際防衛ラグビー競技会 2019」が開幕し、9月11日、自衛隊施設(陸上自衛隊朝霞駐屯地、同習志野演習場)で初戦をおこなった。
朝霞の開幕ゲームはフランス軍×パプアニューギニア国防軍(以下 PNG)。フランスがトライを量産し、71-0とゼロ封で2回戦へ。
前回王者フィジー軍と初参加の韓国軍(体育部隊/尚武)は2回戦を戦い、こちらもフィジーが14トライの猛攻で92-6と韓国を一蹴しベスト4へ進んだ。
習志野では、2回戦で第1回大会王者のイギリス軍が69-3でジョージア軍を寄せ付けず4強入り。オーストラリア国防軍とトンガ軍は1回戦であたりオーストラリアが2回戦進出となった。
■フランスはPNGのディフェンスに手こずるも10トライ
フランスは前半2分、キックリターンから展開し、PNG陣へ入る。右ライン際を攻め、順目に飛ばしパス。左WTBダヴィテ・ゥゴイが先制トライを奪った。11分にはFBベノア・ルボジェックの右足ブーツによるPGで3点を加える。
その後は、PNGが懸命にダブルタックルなどでフランスの攻撃を止める。ノックオンを誘うと会場から声援が起きた。次の加点は32分まで待った。PNG陣、PNGボールのスクラムをフランスが押し込みターンオーバー、SOジェレミ・ヴィゲがインゴール中央へボールを運んだ。この後はフランスがグラウンドを支配。前半はさらに2トライを加え、31-0で折り返した。
後半もアウトサイドCTBルカ・セヴィの2トライなど6トライ、40点を奪い71-0で順調に初戦を制した。
2回戦(15日、習志野)でフランスは日本(自衛隊)とあたる。FLゲイトン・アニナ主将は「日本はコンディションが良いと聞いています。私たちも準備をして臨む」と話した。
試合を観戦した日本の松尾勝博ヘッドコーチは「フランスはノックオンなどミスも出ていた。しっかりディフェンスすれば得点のチャンスが出てくる」。堀口裕二主将も「自分たちのラグビーをするだけ。1点差でも勝つ」と自信を持つ。愛称「ディフェンスブロッサムズ」を実演したい。
■フィジアン・マジックを見せつけ14トライ 韓国を崩壊させた
前回王者の強さを体感した。ワールドカップのフィジー代表にも選手を供給してきたフィジー軍。まずはキックオフを受けそのままつなぎきるとFBジェイク・スグトゥラーガが右中間へノーホイッスルで飛び込んだ。
韓国は4分、ハーフラインで反則を得る。韓国代表SOのハン・グミンは迷わずPGを選択し、50メートル近い距離を成功させ5-3と迫った。
しかし、ここからフィジーが自在に個人技やオフロードパスのフィジアン・マジックを見せつけた。前半だけで計5トライ、40-6で試合を決めてしまった。
後半もCTBエピサロメ・ヴォータが3分にゴール前の反則からタップで素早く仕留めた。会場がどよめいたのは残り10分前後。韓国が反則で得たPKからフィジーゴール前5メートルの左ラインアウト。初めてのトライチャンス、しかし投入されたボールはフィジーの手に入る。そこからあっさりと左ライン際を駆け抜けトライし、73-6へ。さらに3トライと最後まで手を抜かず、大量92点で連覇へ良いスタートを切った。
HOイシリー・リデイア主将も「韓国は強かったが私たちのラグビーができた。1試合ずつ勝ち、目標はもちろん優勝」と手ごたえをつかんだ。
韓国は大会参加前に話していたラインアウト、スクラム強化もフィジーの前には役立たず。高いタックルも目につきディフェンス網が崩壊、大敗した。
大会2日目(15日)はトーナメント2回戦、日本対フランス、ニュージランド対オーストラリア。さらに敗者は親善試合トーナメントへ。PNGとジョージア、韓国とトンガが戦う。