コラム
2019.08.08
【ラグリパWest】久住ラグビー合宿を創り上げた男。 鷲司英彰
なだらかなおうとつを描く緑の九重を北にあおぐ。大分を代表する山並みだ。
その曲線が下りきった場所に久住がある。読みは同じ「くじゅう」だ。
標高は約600メートル。大阪では花園ラグビー場の東にある生駒山(642メートル)と同じくらいだ。
鷲司英彰(わしづか・えいしょう)は、生まれ育ったこの地に「久住スポーツ研修センター」を作った。そして、高校のラグビー合宿を誘致。成功をさせた。
「うれしいなあ、と思います。みなさんのおかげです」
還暦を2つ越した男は、あめ色に日焼けした顔をほころばせた。
鷲司は今、色々な肩書を併せ持つ。
地元・竹田(たけた)の市会議員、浄土真宗の専精寺の17代目住職。さらには日本文理大や付属高を持つ学園のラグビー顧問だ。
鷲司が研修センターの運営会社を立ち上げたのは1994年。翌年、原野だった場所に、天然芝グラウンドが2面、管理棟と合宿棟の2つの建物が出来上がった。
農林水産省や県の補助金事業ではあるが、個人的な借入も銀行などからする。
「最初は、草刈りや掃除など全部ひとりでやりました」
完成初年度に来てくれたのは大分雄城台(おぎのだい)。鷲司から二代目所長を譲り受けた後藤慶多(けいた)の母校である。