「クレイジーだ」。豪代表トゥポウが南アで強盗被害、腕切られる。
昨年11月末、1995年ラグビーワールドカップの優勝メンバーである元南アフリカ代表のナーカ・ドロツキが兄弟宅でバーベキューをしていた際に強盗に襲われ、銃で撃たれ、南アフリカの治安の悪さが改めて世界中に知れ渡ったが、一日あたり、殺人発生件数55件、凶悪強盗380件(在南アフリカ共和国 日本国大使館資料:犯罪統計 2017年4月~2018年3月)というこの国で、またしてもラガーマンが被害にあった。
今回襲われたのは、オーストラリア代表のタニエラ・トゥポウ。
体重135キロの強力スクラメイジャーで、ダイナミックなボールキャリアーとしても人気の巨漢プロップは、ラグビーチャンピオンシップの開幕戦に臨むため南アフリカ遠征中だ。オーストラリアラグビー協会によれば、現地時間7月13日夜、ジョハネスバーグのサントン地区でチームメイトと食事をしたあと歩いてホテルへ戻る途中、携帯電話を奪われ、追いかけて取り返そうとした際に腕を切りつけられたという。
世界一危険な都市と呼ばれるジョハネスバーグの中心部から離れ、富裕層が多く住む高級地区のサントンだが、夜間の治安は安全とは言えない。
トゥポウが地元メディアなどに語った話によると、8人のFW第一列の仲間たちと一緒に夕食に出かけ、ホテルへの帰路、誰かに携帯電話を取られたため、仲間のいたずらだと思って振り返ってみたら、パーカーを着た男がトゥポウの携帯電話を手に走って逃げた。追いかけたが、犯人は待っていた車に乗り込み、もみ合った際に腕を切りつけられたという。
幸い大きなけがではなく、「私は大丈夫」というトゥポウ。「クレイジーな出来事だった。ひとつ学んだよ」
オーストラリア代表として11キャップを持つ23歳のヤングスターは、7月20日の南ア代表戦へ向けて準備を続け、2か月後に開幕するワールドカップでも活躍が期待されている。