コラム
2019.05.24
【ラグリパWest】 28分の5 大阪市立大池中学校
【キーワード】大阪市立大池中学校
新入生は男子が28人だった。
そのうち5人が楕円球を選んでくれた。
6分の1。大阪市生野区にある大池中学校のラグビー部の風景である。
松田陽羽(よう)は162センチ、52キロ。小学校では水泳とテニスをやった。
「体を強くしたいと思いました。ボールの扱いは難しいけれど、先輩が教えてくれます」
初心者の表情は緩む。
ラグビー部には顧問2人がいる
坂田亮と野口将延。
2人は毎朝、校門に立って、生徒たちと「おはよう」を言い交す。
「そこで、声をかけています」
坂田にとって生徒指導の一環は、リクルートにもつながっている。
創部は1995年。歴史として、24年はそう長くはない。しかし、この公立中のOBたちは、近年あらゆるグレードで躍動している。
松山千大(ちひろ)と嘉納一千(いっせん)。
1年違いの2人は、昨冬の第98回全国高校大会で大阪桐蔭に初優勝をもたらせた。
松山は主将でセンター、嘉納はスタンドオフ。松山は高校日本代表として、帝京大に進む。ともに生野区長賞を受けた。
関西3連覇の天理大には主将の岡山仙治(ひさのぶ)がいる。168センチと小さいフランカーながら、タックルは鈍い音を響かせる。ジュニア・ジャパン、20歳以下日本代表にも選ばれた。高校は石見智翠館だ。
春山悠太はトヨタ自動車で7年目を迎える。センターとして、天理から関西学院大を経て入社した。攻守に激しいベテランとして、トップリーグ初制覇に突き進む。
松山も岡山も春山も、この中学に入学後、競技を始めた。嘉納は小学時代、大阪中央ラグビースクールに入っている。
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