海外 2019.04.24

日本代表争いは激化? ウォーレンボスアヤコ、初の「12」の感想は。

[ 向 風見也 ]
日本代表争いは激化? ウォーレンボスアヤコ、初の「12」の感想は。
ハリケーンズ戦でビッグゲインするCTBラーボニ・ウォーレンボスアヤコ(撮影:松本かおり)

 来日後、般若や虎のタトゥを彫った。いずれも強さの象徴だからと、気に入っている。

 23歳のラーボニ・ウォーレンボスアヤコは、日本のサンウルブズの一員として国際リーグのスーパーラグビーで活躍中だ。身長190センチ、体重103キロの体躯で40メートル走5.1秒とスピードは豊か。

 もともと身体接触の多いFWのNO8として突破力をアピールしてきたが、現在はボールを動かすBKのインサイドCTBとしても期待される。サンウルブズ首脳とのやりとりを明かす。

「NO8に求められたキャリー、ハードなアタックを(インサイドCTBとしても)してくれ(と言われていた)。コーチ陣が、自分を(すんなりインサイドCTBに)入れるようにしてくれていた部分もあるとは思いますが」

 4月19日、東京・秩父宮ラグビー場での第10節で、今季初めてインサイドCTBのスターターとなった。前半6分には、中盤右のラインアウトからの攻撃で防御の裏を抜け出した。WTBのセミシ・マシレワのトライをアシストし、爆発力を示した。

 しかし試合は、ハリケーンズに23-29と惜敗。開幕から7戦連続でNO8として先発していたウォーレンボスアヤコも、要所でのキックミスを「私の課題。周りの人から『BKらしい選手だね』と思われるようになりたいです」と反省する。試合途中から本職のNO8に入った心境も、こう振り返る。

「この1週間、とにかく12番(インサイドCTB)にフォーカスしていた。いざNO8に入る時は『あれ? どうしていたっけ』と思うところもありました。今後はいつ何時NO8をやれと言われても戻れるよう、準備しておきたい」

 アイルランド人の父、フィジー人の母を持ち、オーストラリアで育つ。20歳まで現地クラブのサザン・ディストリクツでプレーし、2016年に日本のNTTコミュニケーションズと人生初のプロ契約を締結。前年度まで在籍した。

 2017年にはサンウルブズともサインし、「私の心は日本にある。日本から本当にいろいろな機会を与えられたので」。ワールドカップ日本大会がある今年は、この国で「居住3年以上」という代表資格を得られる。幼少期にプレーしたBKでも特徴を活かすことで、代表デビューと日本大会でのメンバー入りに近づけるかもしれない。

 ちなみにサンウルブズのトニー・ブラウン ヘッドコーチは、日本代表のアタックコーチでもある。

 本人は、慎重な構えだ。

「日本代表のことは考えず、サンウルブズ(でのプレー)に集中する。毎日自分が努力をすることで、それが日本代表のスタッフの目につけばとは思っています」

 他の日本代表候補において、NO8にはワールドカップ経験者で「フィジカルモンスター」ことアマナキ・レレイ・マフィ、現在故障療養中もパワフルな姫野和樹らが、インサイドCTBには防御時の連係とタックルが光る中村亮土、かつての主将で危機管理能力の高い立川理道らがいる。和柄を腕に刻む明るいアイランダーは、希望職種を増やして内定をつかみにかかる。

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