セブンズ 2019.04.20

女子セブンズ日本代表は北九州大会初日3連敗も、17歳の松田凜日などが輝き放つ。

[ 編集部 ]
女子セブンズ日本代表は北九州大会初日3連敗も、17歳の松田凜日などが輝き放つ。
ロシア戦で活躍した松田凜日。國學院大學栃木高校3年(撮影:松本かおり)

 女子7人制ラグビーの強豪国が競う「HSBC ワールドラグビー女子セブンズシリーズ 2018-2019」の第4ラウンド、北九州大会が4月20日に福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で開幕し、招待チームとして参加している女子セブンズ日本代表はプール戦を0勝3敗で終えた。
 大会最終日の21日、日本は9位以下のチャレンジトロフィートーナメントに臨む。

 2017年から開催されている北九州セブンズで一度も勝ったことがない日本。初勝利を目指す今大会の初戦は、昨シーズンから6大会連続で優勝しているニュージーランドに挑んだが、0-43と完敗した。相手にボールをキープされ、ディフェンスで出足速くプレッシャーをかけてもクイックパスでかわされた。ボールを手にしても、ブレイクダウンで圧倒され何度もターンオーバーとなり、トライを量産された。
 ニュージーランドは昨年のコモンウェルスゲームズ(英連邦総合競技大会)やワールドカップ・セブンズなどを含め、今回の日本戦で50連勝となった。だが女王はプール2戦目でロシアと引き分け、連勝記録はストップ。フランスには黒星を喫し、連続無敗記録も止まった。

 日本は2戦目でそのフランスに19-33で敗れたが、光るものはあった。
 この試合も追いかける展開となったが、前半4分、松田凜日が激しいタックルで相手に落球させ、カウンターチャンスとなり、俊足の堤ほの花が約70メートル走り切った。堤は後半3分にもトライを獲得。日本はスピードある積極的な連続攻撃のなかで落球してチャンスを逃したシーンも多かったが、後半6分にはチーム一体となって根気よくつなぎ、オフロードの連続で作ったチャンスを伊藤優希がフィニッシュし、大きな拍手を浴びた。

 ロシアとのプール最終戦も必死に食らいついて競ったが、21-28で惜敗した。
 日本は7点を追う前半5分、大黒田裕芽が強烈なタックルで相手選手を倒したあとすぐに起きてボールに絡み、PKを得、速攻からつないで平野優芽のトライが生まれた。ハーフタイム前にはゴール前のスクラムから、ファーストレシーバーの松田が勝ち越しトライ。元日本代表のレジェンドFB、松田努さんの娘である17歳の松田凜日は父譲りの鋭いフットワークを持ち、14-14で迎えた後半3分にはタックラー2人を振り切ってゴールへ駆け抜け、パワーも見せつけた。
 再びロシアに追いつかれ、試合終了間際にディフェンスを破られ独走を許し、初勝利をつかむことはできなかった日本だが、最終日につながるアグレッシブなチャレンジだった。

 松田凜日は、「NZ戦はアタック回数がよくなかった。ボールを持つ回数も少なかった。もっと仕掛けていい流れを引き寄せられるようにしたい。ロシア戦はキックオフでマイボールにできたのが大きかったが、単純なミスとかボールキープのところで甘さがあった。ロシア戦の2つ目のトライは、自分で強く前に出られて取れた。通用する部分と通用しない部分が明確になった。ロシアには通用した部分も、NZには通用しなかった」と初日を振り返る。「世界一のチームに通用するようなプレーヤーになりたいです」
 大きな可能性を秘めた17歳。まず1勝あげられるように、反省を活かして21日の試合に臨む。

 日本は21日のチャレンジトロフィー準決勝でフィジーと対戦する。

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