ウェールズが6年ぶりに欧州王座奪還! アイルランドに快勝でグランドスラム達成
ワールドカップイヤーの2019年、ヨーロッパチャンピオンになったのはウェールズ代表だった。
現地時間3月16日に地元カーディフのプリンシパリティ・スタジアムでおこなわれた「シックスネーションズ」の最終節、前王者のアイルランド代表と対戦し、25-7で快勝した。ウェールズがこの大会を制したのは6年ぶり。グランドスラム(全勝優勝)達成は7年ぶりとなった。そして、チームのテストマッチ連勝記録は「14」に伸びた。
ウェールズは開始約1分で先制した。敵陣深くでアドバンテージを得ると、SOガレス・アンスコムがディフェンス裏にショートパントを放ち、ボールをキャッチしたCTBハドリー・パークスがインゴールに押さえた。
パークスはその5分後、タッチライン際を駆け上がった相手WTBジェイコブ・ストックデールを猛追して止め、ピンチを防ぎチームを活気づけた。
ウェールズは9分にフィニッシャーのWTBジョージ・ノースが負傷交代するアクシデントがあったが、結束して戦い続け、17分、35分、そしてハーフタイム前にもSOアンスコムがPGを決め、16-0で折り返した。
雨による難しいコンディションのなか、受け身となったアイルランドは後半に入っても反則が続き、アンスコムが正確なショットで着実に得点を重ね、点差を広げた。
ウェールズは守りが堅く、アイルランドの司令塔であるジョニー・セクストンにもプレッシャーをかけ続けた。
集散が速く、しぶとさもあったウェールズに対し、アイルランドはラストアタックで1トライを奪い返したが、ノーサイドの笛が鳴って笑ったのは、“レッドドラゴン”の愛称で知られる赤いジャージーの勇者たちだった。
前半に膝を痛めながら最後までチームを引っ張った闘将、アラン=ウィン・ジョーンズは、勝利後のテレビインタビューで、「このチームの一人ひとり、そして裏で支えてくれた関係者みんなのおかげ。一生懸命取り組んでいれば何が起きてもおかしくないが、良い結果が導き出されたと思う。プレッシャーはたくさんあったなかでのプレーだった。そこを乗り越えた上での勝利だと思う」と熱闘を振り返った。そして、半年後に迫ったワールドカップへの意気込みを聞かれ、「やることはたくさんある。しかし、このチームはいいキャラクターができていると思う。可能性もまだまだ伸びていくと思う」と語った。
ワールドカップで優勝候補の一角となるであろうウェールズは、来日前にイングランド、アイルランドとのウォームアップマッチを予定している。
一方、欧州連覇は逃したものの、ワールドカップで悲願の初優勝を狙い、プールステージで日本と対戦することが決まっているアイルランドは、8月にイタリア、イングランドとも試合をおこない、最強チームを結成して来日する。