海外 2019.03.15

レッズのサム・ケレヴィ主将は、かつての同僚、マイケル・リトルを警戒。

[ 編集部 ]
レッズのサム・ケレヴィ主将は、かつての同僚、マイケル・リトルを警戒。
兄・ジョシュアは秋田ノーザンブレッツ、弟・ジョネは天理大のサム・ケレヴィ主将。(撮影/井田新輔)

 やつがとても危険な選手だということは知っている。
 サンウルブズのマークすべき選手を問われ、サム・ケレヴィはそう言った。

 レッズの主将を務めるCTBは、2012年のジュニア・ワールド・チャンピオンシップにU20フィジー代表として出場した。
 そのとき、同じチームのSOとしてプレーしていたのが、現在サンウルブズで共同主将を務めるマイケル・リトル。そのキレ味はよく分かっているから気をつける。

 7年前はチームメートだった両者が、それぞれレッズ、サンウルブズを率いて、3月16日に激突する。オーストラリアからの来征者たちは試合前日の午前9時から、秩父宮ラグビー場で1時間あまりのキャプテンズランをおこなった。
 間隔を変えながらのパス回しでも多くの選手から声が出る。
 密なコミュニケーションは、アタックやディフェンスの練習時にも発揮されていた。

 レッズは若いアイザック・ルーカスをサンウルブズ戦に起用する。
 今季スーパーラグビーにデビューした20歳。初試合からベンチスタートが続いていたが、先週のワラターズ戦ではFBで先発した。司令塔の大役を敵地で担う。
 ケレヴィ主将は、「彼はスクールボーイの頃から長くSOでプレーしている。SHのモーゼス・ソロヴィとも連係をとってプレーしてくれるだろうから安心しているよ」と話す。

 同主将はサンウルブズの今季の戦いを見て、「すごくいいスピリットを持って戦っている」と感じた。
「だから(レッズは)、自分たちの強みを出して戦いたいと思っています。そのひとつがセットピース。彼らはよく動くだろうから、スクラムなどで圧力をかけたい。フィジカルの強さを前面に出す」
 FW全体でプレッシャーをかけ、崩したところをBKが攻める。LOルカン・サラカイアロトのパワーに大きな期待を寄せる。

 ブラッド・ソーン監督も、サンウルブズの成長を「ホームでもアウェーでも、いいプレーをしている。実力がついた証拠」と表現した。
「ランニングラグビーを仕掛けてくるし、スピードもある。ボールがよく動く」
 タフな試合になることを覚悟している。「いい意味でチャレンジしていく」とアグレッシブに戦うつもりだ。

 チームは開幕から3連敗と、今季まだ勝利を手にできていない。しかし、若手を多く起用するチームは前向きなままだ。
「レッズは、長い時間をかけて、自分たちのスタイルを作り上げてきました。その形がだいぶでき上がってきたところに、いま、若い選手らが加わっています。大切なのは、自分たちのストラクチャーをしっかりやり切ること。そして、毎週毎週、成長し続けることが大事です」

 サンウルブズ同様、ボールを動かすラグビーを志している。
 エキサイティングなゲームを展開し、2019年の初勝利をつかみたい。

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