女子 2019.03.05

私のイメージする試合を最後にしてくれた。PEARLSを退任する記虎監督の幸せ。

[ 編集部 ]
私のイメージする試合を最後にしてくれた。PEARLSを退任する記虎監督の幸せ。
ラストゲーム前の記虎敏和監督。笑顔で選手たちを見守る。(撮影/松本かおり)


 この人が教えるチームらしい試合だった。
 ロースコア。粘って粘って、最後に勝機を得る。
 今回はハッピーエンドとはいかなかったけれど、3年かけて作ってきたものがしっかり見えた。

 創設から短期間で女子ラグビーの強豪クラブとなったPEARLS(三重)。監督を務めてきた記虎敏和氏が、3月3日におこなわれた全国女子ラグビー選手権大会(15人制/小田原・城山陸上競技場)の決勝(会長杯)を最後に指揮官の座を退いた。
 PEARLSを主体とした「Blue Peaglets」は日体大ラグビー部女子に敗れるも、スコアは7-8。後半39分にはPG機を得て、決まれば逆転という状況を作った。

 退任の理由を「3年間のうちに、自分が目指すところと一致したこともあれば、そうでなかったところもあります。ただ基盤はできたと思うので、このタイミングで退いて後任にバトンタッチすることで、(クラブの)方向性がしっかりと定まるのではないかと考えました」。
 指導者人生は終えない。
「グラウンドに立つしか取り柄のない男ですから、機会があれば、どこかで(コーチ生活を)続けたい」と話した。

 同監督は1952年4月28日、大阪・枚方市生まれの66歳。
 天理大を卒業後、1980年4月から2004年まで啓光学園高校(現・常翔啓光学園)で監督、総監督を務め、全国高校大会(花園)で優勝6回、準優勝3回という輝かしい成績を残した。2001年度から2004年度までは4連覇と無敵だった(2004年度は総監督)。
 その後、龍谷大学で監督を8年務め、2016年5月からPEARLSを率いる。太陽生命ウィメンズセブンズシリーズで3度の優勝を手にした。

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