国内 2019.03.02
防御で勝負。43年ぶり埼玉県新人大会優勝の浦和高校、全国選抜の準備すすめる。

防御で勝負。43年ぶり埼玉県新人大会優勝の浦和高校、全国選抜の準備すすめる。

[ 編集部 ]



 中学時代はバラバラのスポーツをやっていた少年たちだけど、実は、同じ思いを持って浦高にやってきている。
 勉強だけでなくスポーツにも打ち込みたい。学校行事にも。
 二兎、三兎を追う人生を求める。そうだからこそおもしろいと思える少年たちだ。

 東大に進学して行動経済学を学びたいSHの宮崎隆之介は、浦高に学んでいた兄から「ラグビー部は全校から応援される存在だぞ」とアドバイスされて入部した。
 志木二中時代は野球部に所属していた。

 宮崎は1年生の秋から冬にかけて勉強との両立に悩み、ラグビー部を続けるか否か揺れていると、監督に相談したことがある。
「でも、みんなで一緒に遊びに行くことがあって、そのとき、やっぱり(この仲間と)いたいな、と思い直したんです」
 必死なのは自分だけじゃない。友だちといる方が頑張れると感じた。

 1年生で唯一の中学ラグビー経験者の山際毅雅も、同志を求めてここに来た。小5のときから宇都宮ラグビースクールでプレーを続けている。
「ラグビーか勉強かどちらかでなく、両方で頑張りたかったんです。浦高はそれがやれると聞いていたので、中2のときに行こうと決めました」
 経験者として同期に教える機会もある。「みんながうまくなっていくのが分かると嬉しい」と笑うHOは、将来、指導者になりたい。

 濃紺のジャージーの胸に「U」の文字。
 2013年にそのジャージーが花園の芝の上を駆けたときには、大応援団が花園第1グラウンドのバックスタンドを濃紺に染めた。
 熊谷ラグビー場での全国選抜大会でも同じ光景が見られるか。
 ピッチで猛タックルが連発されることは約束されている。

機を見て鋭く仕掛けるアタック。シンプルに、精度高く攻めたい。(撮影/松本かおり)
三宅邦隆監督(右)と山本義明部長。ともに筑波大卒。(撮影/松本かおり)
部室にはOBたちの古い写真も。(撮影/松本かおり)


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