1期から70期まで! 久我山ファミリー、70周年の決意。
國學院久我山高校ラグビー部創部70周年記念式典
後ろで苦笑いする方々は、現在はOB会長を務める今野貴之氏、田村誠氏(元トヨタ自動車&豊田自動織機監督。長男は日本代表・田村優選手)、荻窪宏樹氏(元クボタ監督、現日本協会)、美土路昭一氏(元朝日新聞、元日本協会広報)などなど、紹介しきれない豪華な顔ぶれだった。
同じ31期の土屋謙太郎・現監督に「変わらない久我山らしさ」について聞くと「勝つために、工夫すること、でしょうか」。シンプルな二つのフレーズに歴史と矜持がにじむ。「自分たちは、あの時に負けたからこそ、その後も頑張れたのかもしれません」と、ポツリ言っていたのが印象的だった。
「第1期から、高3の70期までが集まってくれた。こんな機会は最初で最後かもしれない。100周年の久我山を、私らは、たぶん見られないからね」
真顔でユーモアを交える中村誠先生は1959年から28年にわたって指揮を執った。中村先生にも「変わらない久我山は何か」をうかがった。
ひと呼吸おいて先生は「それはね、指導者によって変わっていくものだけれど」。
「きょうもOBたちの顔を見ていて思うのは、卒業後の進路についてはしっかりと面倒を見なければということ。ラグビー推薦もいいけれど、 よーく、聞いてほしい、 基本は、将来を考えてしっかりと勉強をすることです」
「なぜ勉強をするべきか。それはラグビー同様、人の内面を豊かにするからだ。社会人としての教養を身につけること。世の中のことを知らなければ、人様と世間話もできない。それでは通用しない。毎日の、努力です」
壇上で教え子たちに再会し、それぞれの時代を振り返った中村先生、目には光るものが見えた。
竹内伸光部長は、6度目の日本一をと力強くスピーチし、最後に会場が引き締まった。創部以来約1300人のOBを世に送り出してきた久我山ラグビー、結束の夜だった。