【短期集中連載】 ワールドカップの前哨戦「シックス・ネーションズ」が面白い! 【第1回】 シックス・ネーションズの歴史
自国開催のワールドカップまであと8カ月後に迫っているが、その前に注目すべき大会があるのをご存じだろうか。今年のワールドカップにも出場する欧州の強豪6カ国が総当たりでしのぎを削る「シックス・ネーションズ」だ。2019年の今大会は、まさにワールドカップの前哨戦。ジャパンと同組の2カ国の本気を見られる貴重な機会でもある。本連載では、2月1日(日本時間の2月2日)に開幕するシックス・ネーションズの魅力を3回にわたってお届けする。
現地時間の2月1日(金)に開幕する「シックス・ネーションズ」は、ヨーロッパの強豪国が北半球最強の座を争う伝統のラグビー国別対抗戦だ。その歴史は古く、起源は1882年から1883年にかけてイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの4カ国で行われた第1回大会までさかのぼる。その後、1910年にフランスが加わってファイブ・ネーションズ(5カ国対抗)と呼ばれるようになり、2000年からはイタリアも加入して、現在の形で開催されるようになった。
1987年より始まったラグビーワールドカップが世界一を決める大会として定着した現在も、シックス・ネーションズは国際ラグビー界において最も古い歴史と権威を誇る大会として、世界中で人気を博している。毎年2月から3月にかけて6カ国が総当たりで対戦し(各国5試合ずつ。ホームゲームは年ごとの持ち回り)、勝ち点制(勝利=4点、引き分け=2点、勝ち負けにかかわらず4トライ以上獲得=1点、7点差以内の敗戦=1点、全勝優勝達成=3点)で最終順位を決定。優勝争いもさることながら、それぞれの国に様々な因縁や歴史的背景があり、どの試合も国を背負う選手たちのプライドが激しくぶつかり合う熱戦になることが、大きな魅力だ。
とりわけ今年は4年に1度のラグビーワールドカップが日本で開催されるだけに、シックス・ネーションズも例年に増して見どころの多い大会となる。参加国はいずれもワールドカップで優勝争いに絡むと予想される実力国であり、各国の戦力やプレースタイルを見極めるとともに、開幕を半年後に控えた段階での仕上がり具合を測るという点でも、絶好の機会といえるだろう。
日本のファンにとって気になるのは、ワールドカップのプールステージで同組に入るアイルランドとスコットランドのコンディションだ。ジャパンが悲願のベスト8進出を果たす上で最大のターゲットとなるのが、9月28日のアイルランド戦(エコパスタジアム)と、10月13日のスコットランド戦(横浜国際総合競技場)。ワールドカップ本番での対戦をより深く楽しむためにも、両国の戦いぶりをしっかりと目に焼きつけておきたい。
シックス・ネーションズの国別優勝回数を見ると、イングランドとウェールズの38回が最多で、以下フランス25回、スコットランド24回、アイルランド23回、イタリア0回と続く(すべて同時優勝含む)。ここ5年に限れば、アイルランドが3回(うち全勝優勝1回)、イングランドが2回(同じく全勝優勝1回)と、この2国が優勢。ちなみに過去8回行われたワールドカップにおける同年のシックス・ネーションズ優勝国の戦績は、優勝が1回(2003年イングランド)、準優勝が2回(1987年フランス、1991年イングランド)、ベスト4が2回(1995年イングランド、2007年フランス)となっており、前哨戦として因果関係のあることがうかがえる。
2019年のシックス・ネーションズで覇権争いの中心となりそうなのは、前年度王者のアイルランドだ。昨年は5試合全勝の「グランドスラム」を達成したほか、11月17日には世界ランキング1位のニュージーランドに16-9で勝利。ラグビーの国際統括機関であるワールドラグビーが選出する年間最優秀チーム、年間最優秀コーチ(ジョー・シュミット ヘッドコーチ)、年間最優秀選手(SOジョナサン・セクストン)のタイトルを総なめにした。各ポジションに世界でも屈指の好選手がそろい、安定感抜群のゲームメイクと、ニュージーランドをノートライに封じた堅牢なディフェンスが持ち味。意外にもワールドカップでは一度も4強入りを果たしていないだけに、シックス・ネーションズを連覇して勢いをつけたいところだろう。
アイルランドを追う存在と目されるのが、世界ランキング3位のウェールズと、同4位のイングランドだ。ウェールズは昨秋のテストマッチシリーズでスコットランド(21-10)、オーストラリア(9-6)、南アフリカ(20-11)と強豪国に連勝しており、充実ぶりが目を引く。今年はアイルランド、イングランドに対しホームで戦えることも、大きなプラス材料だろう。イングランドは昨年のシックス・ネーションズで2勝3敗と思わぬ不振に陥ったものの、秋は南アフリカ(12-11)、オーストラリア(37-18)に勝利し、ニュージーランドにも15-16と肉薄して復調を感じさせた。知将、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチがワールドカップに向けどのような采配を振るうのか、注目される。
前回3位のスコットランドも、昨年は強豪アルゼンチンに6月(アウェーで44-15)、11月(ホームで14-9)と連勝するなど、確かな地力を有する。2016年から2年連続でシックス・ネーションズ最優秀選手に選出されたFBスチュアート・ホッグは必見。フランス、イタリアはここ数年国際舞台でなかなかいい結果を残せていないが、歯車が噛み合った時はどの国にも勝利できるだけの爆発力を秘める。今年も第1節から目の離せない戦いが繰り広げられそうだ。
★「生中継!ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
130年以上の歴史と伝統を誇る「シックス・ネーションズ」。ヨーロッパのラグビー強豪6カ国が参加して行なわれる大会の模様を、WOWOWで全15試合生中継!
【放送日】2月2日(土)~3月16日(土)※開幕戦無料放送
※関連番組
『欧州ラグビーはここで学べ!開幕直前「シックス・ネーションズ」観戦ガイド』
【放送日】1/28(月)午後3:45ほか ※無料放送
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