国内
2018.12.15
神戸製鋼が18季ぶりに日本選手権優勝! サントリー倒し平成最後の王者に!
神戸製鋼躍進の立役者となったダン・カーター(撮影:松本かおり)
サントリーで唯一トライを挙げた尾崎晟也(撮影:松本かおり)
平成最後のラグビー日本一をかけて、トップリーグ2018-19兼第56回日本選手権大会の決勝が12月15日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれ、神戸製鋼コベルコスティーラーズが55−5とサントリーサンゴリアスを圧倒し、優勝した。
神戸製鋼がトップリーグのタイトルを獲得したのは、リーグ創設元年の2003年度以来15シーズンぶり2回目。日本選手権制覇は18シーズンぶり10回目となった。
前年度王者のサントリーはチーム史上初のトップリーグ3連覇はならなかった。
リーグ戦無敗の強さはノックアウトステージでも発揮された。神戸製鋼は、今季新加入したニュージーランド出身の世界的スターであるSOダン・カーターを司令塔に、攻めては計8トライ、堅いディフェンスも大きな勝因となった。
試合開始早々、NO8中島イシレリのボール奪取から12フェイズ重ね、WTBアンダーソン フレイザーが相手の防御網を破って先制した。
11分には、敵陣22メートルライン外から切り込んだNO8中島がフリックパスで大外のWTBアンダーソンにつなぎ、連続トライ。
12点を追うサントリーは18分、相手の落球からカウンターで攻め、ハーフウェイ外でボールをもらったWTB尾崎晟也が独走し、ゴール寸前でCTBアダム・アシュリークーパーにタックルされながらも右隅に押さえ、トライが認められた。
しかし神戸製鋼は32分にSOカーターがPGで加点し、36分には、コカ・コーラから移籍してコベルコスティーラーズの背番号2をものにした有田隆平が相手FB松島幸太朗のキックをチャージして自らインゴールで押さえ、大きなトライを獲得。
22−5で折り返した。
神戸製鋼は後半の立ち上がりも、この秋に日本代表デビューを果たしたNO8中島のターンオーバーで流れを良くする。
そして45分(後半5分)、オーストラリア代表117キャップを誇るCTBアシュリークーパーのビッグヒット後、カウンターラックで敵陣深くの攻めに転じ、たたみかけて、最後はアシュリークーパーがフィニッシュした。その3分後にもゴールに迫り、FB山中亮平がトライ。
堅守で自分たちのペースを崩さなかった神戸製鋼は、53分にもカウンターでつないでLOトム・フランクリンが走り切り、点差を広げた。王座奪還へ向けて勢いは止まらず、57分にはFLグラント・ハッティングがゴールに持ち込み、78分にはFB山中がチーム8トライ目を挙げ、神戸製鋼コベルコスティーラーズが快勝で日本一となった。
デーブ・ディロン ヘッドコーチは「チーム全員で戦ってきた優勝。今日は試合の最初から素晴らしいパフォーマンスだった。今季はチームとして成長し続けることができた。神戸製鋼の歴史を理解し、代表して体現できた結果が今日の勝利につながったと思う」とコメント。共同主将のひとりである前川鐘平は、「チーム一丸となって戦ってきた結果が今日の優勝だと思う。トップリーグ優勝は15年ぶり、日本選手権優勝は18年ぶり。長い間、OBも含め、ずっと苦労してきた。喜びがじわじわと湧いてきている。素直に、嬉しい。その一言です」と喜びを語った。