国内 2018.10.22

栗田がホームお披露目を勝利で飾る 2018トップチャレンジリーグ第5節

栗田がホームお披露目を勝利で飾る 2018トップチャレンジリーグ第5節
栗田工業のエリソンが攻守でゲームを支配した(撮影:見明亨徳)

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栗田工業はディフェンスでも上回った(撮影:見明亨徳)

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新設された栗田グラウンド。昭島駅から徒歩5分(撮影:見明亨徳)

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お披露目に1500人が訪れた(撮影:見明亨徳)
 来季2019年シーズンのトップリーグ昇格をかけるトップチャレンジリーグも、ファーストステージの終盤を迎えている。
 第5節2日目となる10月21日、今季初参戦の栗田工業ウォーターガッシュがマツダブルーズーマーズに34-19で快勝し、3勝2敗、勝点13とした。新加入のSOタマティ・エリソンが攻守にチームを引っ張り、トップリーグ下位チームとの入替戦に出場できる4位以内を守った。
 この日は、栗田工業がラグビー部のために「50億円はいかないが数十億円をかけて」(山田紘也監督)都西部昭島市に新設した昭島グラウンドのオープニングゲーム。栗田社員や地元ラグビークラブの子どもたちなど1,500人が訪れた。
 記念すべき最初のトライは、前半15分にマツダが栗田ゴール前ラインアウトからモールで押し込み、HO北林佑介が押さえた。ゴールキックも成功で7点をリードした。
 しかし、栗田はすぐに反撃し、マツダ陣でフェーズを重ね、左WTBで先発の京産大出身ルーキー坂本英人が左中間へ飛び込みファイブポインターとなった。さらに9分後、LO川瀬大輝がトライを奪い勝ち越す。「栗田のシステムがこちらを上回っていた」(マツダCTB、前韓国代表の李修平)と話すように、エリソン中心のアタックがさらに増していった。
 エリソンはリコーブラックラムズに2013年から昨年度まで在籍し、移籍してきた35歳の司令塔。ニュージーランド代表4キャップにマオリ、7人制代表の経験があり、栗田の若い選手たちを鼓舞し、緩急をつけたパスでマツダディフェンスを翻弄、試合を支配した。
 37分にはゴール前スクラムからエリソンが飛ばしパスで坂本へ渡すとチーム3本目のトライを生んだ。40分、エリソンはPGも決め、22-7で折り返した。
 後半最初の得点も栗田が5分、自陣からインゴールへ運んだ。3分後マツダに1トライ返されるも、終盤はマツダのアタックをディフェンスで防ぎ、34-19で制した。
 敗戦で4位圏内がやや難しくなったマツダの坂本秀彰監督は「事前の分析で栗田が楽に勝てる相手でないことは分かっていましたが、予想以上に組織力、ディフェンスが良かった」。
 勝った栗田のエリソンは「今季、栗田は新しいシステムを採用しています。少しずつ慣れてきた。若い選手には『自信を持て』と話しています」と自らの役割を自覚している。
 この日、ハットトリックトライの坂本は「みなさんのおかげ」と話すが、ラインに入るスピード、トライを取り切る才能はチームに必要な存在になっている。
 中島拓也主将は「一人一人が役割を果たせるようになってきた」と自信を深める。
 新設のグラウンドはJR青梅線昭島駅から徒歩5分にある。隣は大型アウトドアヴィレッジがあり、試合後のファンがくつろぐ飲食ができる歓談場所が揃っている。
 エリソンは「世界中のいろいろなクラブを見てきたが一番素晴らしい」とすでに気にいっている。中島主将も「練習環境がよくなりました。私は自転車で10分くらいの立川市内に越してきました。選手もみんな(これまでの厚木グラウンドから)グラウンド近所へ移ってきた」。
 山田監督は「エリソンが若手を引っ張ってくれている。今年の目標は4位以上、一試合一試合を大事にしていきます」。
 栗田は今週10月26日に3位の三菱重工相模原ダイナボアーズ(勝点14)と直接対決、最終節は5位・釜石シーウェイブス(同11)と負けられない戦いが続く。物心両面での会社の応援に応え、トップリーグ勢との決戦を目指す。
 マツダは「残り2試合、九電(九州電力キューデンヴォルテクス)、中国電力(レッドレグリオンズ)に勝点5ずつで勝つ」(坂本監督)。
 トップチャレンジリーグ・ファーストステージは第5節が終わり、5戦全勝で近鉄ライナーズ(勝点25)とNTTドコモレッドハリケーンズ(同24)が首位争いを繰り広げる。3位は勝点14の三菱重工相模原、4位・栗田工業(同13)、5位・釜石シーウェイブス(同11)、6位・マツダ(同5)、7位・九州電力(同4)、最下位は中国電力(同0)。
(文:見明亨徳)

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