国内 2018.10.03

80分の信頼。ヤマハの新司令塔・清原祥は3年目の「新人」

80分の信頼。ヤマハの新司令塔・清原祥は3年目の「新人」
4節・パナソニック戦では初のフル出場を果たした(撮影:松本かおり)
第1節 43-3コカ・コーラ 65分出場
第2節 20-18クボタ 76分出場
第3節 34-16ホンダ 後半40分のみ出場
第4節 0-15パナソニック フル出場
先発出場は今季第1節が初。3年目のSO清原祥が、昨季3位から日本一を狙うヤマハ発動機で、堂々のプレーを披露している。
9月22日は昨季準優勝のパナソニックに敗れたが、清宮克幸監督は清原について「いますごく安定している選手。あとはゲームをどう動かすかが身につけば、レベルの高いSOになる可能性を持っている」と期待値の高さをはっきりと示した。
ヤマハは、昨季限りで引退したSO大田尾竜彦とともに成長してきたチームだ。卓越したプレーとゲームセンスで14シーズン君臨した司令塔、その後釜を務めるのが清原だ。チームには2年目、25歳のNZ出身のSOもいるが、4節までの起用には、この生え抜き選手へのクラブの期待と、育成への覚悟がうかがえる。
後半のヤマハは 0-15 でパナソニックを追う展開。堀江恭佑主将が「FWではやれている感覚があった」と振り返った通り、ボールポゼッションでは前半から互角以上。惜しくも要所のキックミス、キャッチミス、スクラムでの反則などがチームに蔓延し、自らチャンスをつぶしてしまった。
後半18分には、清原自身も、パスの出しどころを失い自ら密集近くに巻き込まれ、ボールを失う(モール停滞で相手スクラムに)など悔しい場面もあった。
「前半は、自分たちの意図通りにチャンス場面を作ることができた。後半は、場面を作ることも、させてもらえなかった」とは堀川隆延ヘッドコーチ。
相手はパナソニック、4年連続で日本一を決する舞台を経験しているチームの、それが、実力だろう。
堀川コーチも強気で冷静な清原に期待を寄せる。
「よく考えて経験から吸収している。トップリーグでも1試合ごとに成長している。きょうも良くやりました。相手に対策された場合の、次の一手を探れたら、もっとよくなる。また一つ、いい経験になったと思います」
リーグ戦4節時点(全7節)で、全試合出場、3試合に先発。4節ではついに、フルタイム出場を果たした。0-15で敗れた試合だったが、実りは大きかった。
ラグビーを始めたのは中学3年時の玉名中にて。熊本県立荒尾高校、東洋大学と、各年代で必ずしもトップレベルを歩んできたわけではない選手が、3年目で日本の頂点を目指す。10月6日、ヤマハ発動機はホーム磐田に東芝を迎え撃つ。

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