海外 2017.04.30

サンウルブズが強豪チーフス相手に善戦 敗れるもボーナスポイント獲得

サンウルブズが強豪チーフス相手に善戦 敗れるもボーナスポイント獲得
チーフスのディフェンスに挑むサンウルブズの松島幸太朗(Photo: Getty Images)
 ニュージーランド遠征の最後で、サンウルブズがチーフスと接戦を演じた。20−27で敗れたものの、4年ぶり3回目の優勝を目指して今季7勝1敗と好調のチームを相手に最後まで食らいつき、7点差以内の敗戦で与えられるボーナスポイントを獲得した。
 4月29日、ハミルトンのFMGスタジアム・ワイカト。海外遠征からホームに戻ってきたチーフスは、元日本代表主将のNO8リーチ マイケルと2014年のワールドラグビー年間最優秀選手であるLOブロディー・レタリックを休ませたが、ニュージーランド代表経験者が9人先発の強力布陣だった。
 序盤からサンウルブズにプレッシャーをかけ、前半3分、HOヒカ・エリオットがインゴールに突っ込んで先制する。
 サンウルブズはこの日、強いスクラムを何度か見せたが、チーフスのFWパックも破壊力があり、前半17分のスクラムではPR伊藤平一郎が前と後ろから圧力を受けて突き上げられるようなかっこうになり、負傷交代した。
 20分にサンウルブズがPGで得点したが、チーフスはトライを重ねてリードを広げる。
 23分に敵陣22メートル内に入りFWが近場を突いたあと展開すると、サンウルブズのCTBウィリアム・トゥポウがラッシュディフェンスでSOアーロン・クルーデンにプレッシャーをかけにいったが、つながれ、おとり役も入って、できたスペースにFBダミアン・マッケンジーが走り込み、最後はWTBソロモン・アライマロがフィニッシュした。39分には、今大会屈指のラインブレイカーであるFBマッケンジーがショートサイドを突いてタックラーを次々とかわし、トライ。
 サンウルブズは3−20で折り返すこととなった。
 しかし、後半の立ち上がりはサンウルブズがよく、45分(後半5分)、スクラムからの攻撃でタテを突いてゴール中央に迫り、SH田中史朗がゴールポストに巻かれているパッドの根もとにグラウンディングしてトライ(キック成功)、10−20となった。
 チーフスは59分、途中交代で入ったばかりのWTBジェームズ・ロウが左サイドをゲインしてノールックパスでタッチライン際のFBマッケンジーにつなぎ、ニュージーランド代表でもある背番号15が快走して再び点差は広がったが、サンウルブズは66分、HO庭井祐輔が突破してサポートしたCTBデレック・カーペンターがトライを決め、コンバージョン成功で17−27と食らいついた。
 73分にはFBジェイミー・ジェリー・タウランギがPGを決め、7点差となる。
 しかし、残り時間のほとんどはトライボーナスポイント(相手より3本以上多くトライすれば勝点に1ポイントが加算される)を狙いに行ったチーフスが攻め、同点にする機会はなかったサンウルブズ。それでも、終盤にカーペンターが不正なプレーでイエロー、タウランギが危険なプレーでレッドカードを出され13人になったが、耐え、7点差のまま試合終了の笛を聞いた。
 ニュージーランドでの戦いを終えたサンウルブズだが、まだ海外遠征は続き、次はアルゼンチンのブエノスアイレスに移動する。そして5月6日(現地時間)、昨年4月に秩父宮ラグビー場で歴史的初勝利を挙げた相手、ジャガーズと対戦する。タフなアウェイゲームで勝利をつかみたい。
<サンウルブズ ヘッドコーチ・選手コメント>
■フィロ・ティアティア ヘッドコーチ
 今日は何名かの怪我人を理由に新しいコンビネーションを採用しましたが、スマートなプレーができたと思います。後半、所々自分たちのゲームプランを実施して、チーフスという強豪相手にプレッシャーを与えることができたと思います。最後の5分はサンウルブズ選手の退場もありましたが、ボーナスポイントを守ることができたのはよかったと思います。
■デレック・カーペンター
 ニュージーランドのチームを相手に3試合おこないましたが、どんなに小さなミスも許されないことを実感しました。今日の後半は小さなミスも減少し、相手にプレッシャーをかけることができました。この先も厳しい戦いが続きますが、チーフスを相手に惜しい結果を残せたことは、チームのモチベーションにとっていいことだと思います。
 また、試合のフィニッシュはいいと思いますが、試合のスタートをよくするためには、コーチ陣とも話をし、改善していく必要があります。そこを改善することで、しっかりと80分戦えると思います。勝つためには80分間戦い続けなければいけません。
 この遠征ではターンオーバーからの攻めを学びました。アルゼンチンのラグビーは攻め続けるスタイルなので、しっかり守りそこから攻撃をしたいと思います。
■松島幸太朗
 自分たちのラグビーを見せることはできたと思いますが、雨だったので少し濡れやすく、ミスも多かったです。仕留めきれる部分を多くすれば、同点にして勝てるチャンスもあったと思います。みんな同じ気持ちでいたと思います。
 ニュージーランド遠征では、メンタルの部分でも成長でき、いい経験ができています。今日の試合では、気持ちの強さ、勝ちたいという部分が強く出たのではないかと思います。結果的には負けてしまいましたが、技術の面もメンタルの部分も成長できているので、次の遠征でもこのモチベーションを上げていきたいです。

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