各国代表 2017.04.30

日本代表対韓国代表、「47−29」→「80−10」の中身。

日本代表対韓国代表、「47−29」→「80−10」の中身。
アジアチャンピオンシップを戦う若い日本代表を引き締めた山田章仁(撮影:松本かおり)
 ラグビー日本代表は4月29日、東京・秩父宮ラグビー場でアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)の第2戦目に挑んだ。初戦で47−29と制した韓国代表に80−10で快勝。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)は「前回から改善。ほめたたえたい」と話した。
 22日に敵地・仁川の南洞アジアードスタジアムでおこなわれた前節では、防御が乱れて指揮官が激怒する。相手をタックルで仕留める闘志が最大の課題だとし、第2戦までの都内の練習期間は各選手に計40本の個別のタックル練習を義務付けた。その甲斐あってか当日のスコアボートの数字は激変し、ジョセフHCも前向きな談話を重ねることとなった。
 象徴的なプレーのひとつは、前半14分。自陣22メートル線上からキックを蹴ったWTBの山田章仁が、その弾道をトップスピードで追いかける。敵陣22メートルエリアで捕球した相手の動きを見定め、自身の目の前に来たランナーへ鋭く刺さる。
「今週のチームにあった、相手のカウンターアタックを止めたいという思い。それを示せてよかったかな、と思います」
 味方選手のサポートもあって、攻守逆転を誘う。16分、アマナキ・ロトアヘアによるチーム2本目のトライに喜んだ。
 今回の若手中心のメンバーにあって、唯一のワールドカップ経験者。この日が今年度初のテストマッチとなった31歳は、大外からの声出しで防御組織の破たんを最小限に防いでいた。
 この日のチームの出来に、全ての人が満足したわけではない。接点の周辺のスペースをえぐられたり、大外からせり上がったタックラーが弾かれたことが重なり、前半40分、後半9分に失点。SHの流大主将も「集中力が切れたところがあった」と反省した。
 とはいえ山田は、「非常に締まったいいゲーム。ディフェンスでしっかりと相手を止められたことはよかったと思います」と仲間たちを称える。この先の改善点を聞かれても、連携を密にすべきという旨を前向きなトーンで話していた。
「コミュニケーションをどんどん上げる。そこが、シンプルでわかりやすいところだと思うので。きょうのいい試合で出た課題を周り同士で修正していって、チームを作っていけたら」
 シニアプレーヤーがチームを引き締めたこの日、唯一のテストマッチデビューを飾ったのは山沢拓也。筑波大4年だった前年度はパナソニックに在籍し、大学生トップリーガー第1号となった22歳。後半10分、大歓声を受けピッチに登場した。
 5回あったコンバージョンの機会をすべて成功させ、「風に助けてもらいました」。攻めては後半33分、身体ごと大外に向けてのパスダミーを入れ、真正面の小さなスペースを割く。ハーフ線付近から敵陣の深い位置まで、一気に駆け上がった。
 ところが、「中途半端な気持ちで行ってしまった。本当はパスしたかったんですけど、いいタイミングで放れなかったせいでパスをする相手が見えなくなって…」。この場面では、後ろから追いかけるタックラーに進撃を阻まれた。同時に、落球してしまっていた。
 指揮官には「きょうはトライを取りに行き過ぎたところがある」とくぎを刺された。本人も普段から完璧主義者で鳴らすとあって、総括の言葉に悔恨の念をにじませる。
「基本的にはいつもと変わらない気持ちで臨めました。個人的にはすごく、細かいミスが多かったな、と。パスしたらトライだったな…という場面もあった。(自己採点は)40点、くらいですかね」
 この日、23人の登録メンバーから外れた一部選手は、本隊から離れて私服で試合観戦。5月2日から都内で再開する合宿で、第3戦目以降へのアピールを重ねるだろう。流主将は「5月6日はもっと成長したところを見せられると思います」と決意。細部へ厳しい目線を飛ばし、その「5月6日」のARC第3戦(対香港代表・秩父宮)に臨む。
(文:向 風見也)

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