国内
2017.04.16
今年は怪我なく完全燃焼を! 横山陽介、早大ラストイヤーの誓い。
大学選手権で歴代最多の優勝15回を誇る早大は、4月2日のYC&ACセブンズ(神奈川・YC&ACグラウンド)で優勝し、続く9日の東日本大学セブンズ(東京・秩父宮ラグビー場)では4強入り。チームによっては結果に重きを置かない7人制の大会にあって、頂点を目指していた。
就任2年目の山下大悟監督が、その意図を語る。
「今年は武器にしていくところをやり切って、結果を出すことにこだわっている。やり切る。結果を出す。大会があるのであれば、勝つ、ということです。プログラムを回して2年目。1個1個の大会を真剣勝負しないと」
昨季から防御、肉弾戦、スクラムをチームの柱に据えている。今回の7人制シーズンでは特に、防御時の接点で球を奪うためのチャレンジを中心にチェックした。「ディフェンスの目的は何か。ボールを奪うこと。チームの狙いどころ(の接点)で、ボールを取り切る。そのためにはリロードを早くして、立っている人間を多くする」と、その考えを明かす。
このセブンズのメンバーにおいて、主将を任されたのは横山陽介。神奈川・桐蔭学園高でも主将を務めた4年生だ。
東日本大学セブンズでは、チャンピオンシップ2回戦で大学選手権8連覇中の帝京大に19−12と勝利した。
横山も接点でのターンオーバーで得点をおぜん立てするなど、チームの目指すスタイルを全う。そのプレーを「それ、あんまり覚えてないんですけど」としながら、手ごたえを語った。
「今年は大悟さんにも、ブレイクダウン(接点)でのディフェンスを伸ばしていこうと言われている。タックル、ハードワーク…。そこだけをやっていこう、と」
身長181センチ、体重87キロ。ロングキックと視野の広さを長所に、司令塔のSOとして1年時からレギュラー入り。もっとも昨季は、辛苦を味わった。それまで手中にあった背番号10は、ルーキーだった岸岡智樹に譲る。
学生ラストイヤーとなる今季は、失われたレギュラーの座を取り戻したい。なにより優勝したい。
「身体が強くなって、身体をコントロールできるようになった。昨季はプレシーズンのトレーニング期に怪我をして、十分な準備ができないままシーズンに入っていた。ただ、今年は最初からずっと参加。パフォーマンスも自ずと上がっています」
同じ高校出身の山下監督がこう褒めるなか、本人も決意を明かす。
「去年はずっと怪我をして、そこで差をつけられた。今年は怪我なく…」
赤黒のジャージィを着て試合に出られるなら、どのポジションでも役割を全うしたい。例えば、持ち前の技術を最後尾のFBで活かす。例えば、冬場のウェイトトレーニングで約4キロ増やした身体でインサイドCTBを担う…。幅は広がる。
「(SOにこだわっているのではと)いろんな人に言われるんですけど、そういうのはこだわりは全然なくて。いろんなポジションをやった方が自分のためにもなるし」
チームは23日、東京・早大上井草グラウンドで関東大学春季大会Aの初戦に臨む。トンガ人留学生を揃える大東大とのゲームに、横山の姿はあるだろうか。
(文:向 風見也)