国内 2017.01.08

Hondaがトップリーグから自動降格… ヤマハは逆転優勝に望みつなぐ

Hondaがトップリーグから自動降格… ヤマハは逆転優勝に望みつなぐ
前半38分にFLミロ デイヴィッドのトライで14−14に追いついたHondaだったが…(撮影:見明亨徳)
 2015年度に日本最高峰リーグの「ジャパンラグビー トップリーグ」へ再昇格したHonda HEATだが、2016−2017シーズンの最下位が確定し、自動降格が決まった。
 1月8日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた第14節で、NECに21−41で敗れて今季1勝13敗(総勝点6)となり、あと1試合を残すものの15位・近鉄(総勝点14)との勝点差は8で逆転不可能のため、来シーズンより新設されるトップチャレンジリーグへ降格することとなった。
 序盤に相手に2トライを許したHondaだが、粘り強く食らいつき、前半32分、ハーフウェイのブレイクダウンでボールを奪い返したあと、ルーキーのWTB本村直樹がショートサイドを抜けてゴールへ持ち込み、7点差とした。
 38分にも敵陣深くに入ると、FLミロ デイヴィッドがFL中田晃司の後押しを受けてインゴールに突っ込み、コンバージョンも成功で同点に追いついた。
 しかし、NECは前半終了前にPGで再び先行すると、48分(後半8分)にはハーフウェイ右のスクラムからの攻撃でCTBジョーダン・ペインが抜けて走り切り、50分にはWTB後藤輝也がゴールに持ち込んでリードを広げた。
 Hondaは53分、ゴール前のラインアウトからモールを組んだあと、途中出場のFLデオン・ステフマンが抜けてトライを奪い、キック成功で21−31とした。
 残留へ執念を見せ、最後まで奮闘したHondaだったが、しかし、終盤に加点したのはNECで、悔しいファイナルホイッスルとなった。
 2週間前のクリスマスイブ決戦でサントリーに敗れ首位から陥落したヤマハ発動機は、8日に大阪・キンチョウスタジアムで近鉄を26−12で下し、最終節での逆転優勝に望みをつないだ。
 ヤマハは前半13分にモールで認定トライを獲得。しかし、雨でボールコントロールが難しい状況のなか、好機でハンドリングエラーが出るなど、なかなか追加点を挙げることができなかった。
 一方、8連敗中だった近鉄は、相手の反則でショットチャンスとなるとCTB野口大輔が正確な右足で3本連続PGを決め、逆転した。
 7−9と2点ビハインドで折り返したヤマハは、後半の序盤もハンドリングに苦しみフラストレーションがたまるゲームとなったが、49分(後半9分)にラインアウトからモールで押し込み、14−9と再び先行した。
 それでも、連敗ストップへ必死の近鉄はヤマハの強力なFWパックに対してスクラムでターンオーバーしたシーンもあり、相手へのプレッシャー掛けも速く、奮闘。64分にもPGで得点し、2点差に詰めた。
 しかし、ヤマハは70分にモールドライブでゴールに迫ると、近鉄が故意に崩したとしてペナルティトライが与えられ、大きな7点を獲得。73分には近鉄のパスが乱れてヤマハ主将のFL三村勇飛丸が敵陣深くでボールを確保し、WTB田中渉太のトライにつながって、難しいコンディションでの接戦を制した。
 ヤマハはボーナスポイントも獲得して総勝点62とし、首位のサントリー(総勝点65)とは3ポイント差で最終節を迎える。
 1月14日、ヤマハはホームの静岡・ヤマハスタジアムでトヨタ自動車(6位)と最終戦。サントリーはアウェイでのラストゲームとなり、兵庫・ノエビアスタジアム神戸で神戸製鋼(4位)と対戦する。
 なお近鉄は、同じく13位以下が確定しているコカ・コーラ、豊田自動織機とともに、1月28日におこなわれる入替戦へ出場する。
 そして、トップリーグ上位3チームが出場できる日本選手権への望みをわずかに残していた神戸製鋼だが、キンチョウスタジアムでクボタに16−23で敗れ、その道は断たれた。
 神戸製鋼は前半11分、ゴール前でFL安井龍太がキックチャージし、インゴールに転がったボールをPR山崎基生が押さえて先制した。
 しかし14分、LO中島ヴァカウタ イシレリが相手LO金昊範への危険なタックルでレッドカードとなり、流れは変わった。
 数的有利となったクボタは26分、相手のラインアウト失敗でボールを手にすると、SH井上大介が中央突破でチャンスメイク、FL田村玲一がサポートして、CTBライオネル・マプーがゴールへ走り切り、点差は縮まった。
 その後、互いにPGで得点を重ね、13−11と神戸製鋼のリードで迎えた59分(後半19分)、クボタは敵陣深くでキックチャージと接点のターンオーバーからチャンスとなり、途中出場のFB合谷和弘がトライを挙げて逆転した。
 神戸製鋼はその後、PGで点差を詰めたが、クボタは77分に敵陣深くでフェイズを重ね、合谷がキックでインゴールに転がしたボールを、途中からWTBに移動していた近藤英人が押さえてトライ。
 結局、クボタが7点リードを守り切り、2009年度以来の神戸製鋼戦勝利となった。
 8日におこなわれたその他の2試合は、キヤノンが秩父宮でNTTコミュニケーションズを26−15で下して4連勝(7勝7敗/総勝点33)となり、8位に浮上。5位のNTTコムは8勝6敗(総勝点36)となった。
 東京・駒沢陸上競技場ではリコーが宗像サニックスに36−3で快勝し、7勝7敗(総勝点35)となって7位に順位を上げている。サニックスは3連敗で6勝8敗(総勝点25)となり、12位にダウンした。

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