国内 2017.01.07

高校ラグビー日本一は東福岡! 東海大仰星との激闘制し2季ぶり3冠達成!

高校ラグビー日本一は東福岡! 東海大仰星との激闘制し2季ぶり3冠達成!
花園で2年ぶりの歓喜。3冠を達成した東福岡高校(撮影:早浪章弘)
 高校ラグビーの日本一を決めるにふさわしい熱闘、好ゲームとなった。
 第96回全国高等学校ラグビーフットボール大会は1月7日、東大阪市花園ラグビー場で決勝がおこなわれ、東福岡高校(福岡)が前年度優勝校の東海大学付属仰星高校(大阪第1)を28−21で下し、2大会ぶり6回目の優勝を遂げた。東福岡は2014年度に続き、今季は春の全国高校選抜大会と夏の全国高校7人制大会も制しており、2シーズンぶり2回目の3冠達成である。
 先制したのは東福岡だった。
 前半19分、準決勝で左膝を負傷していたCTB森勇登が自陣10メートルライン手前から軽快なフットワークで防御網を破り、タックラーを次々と振り切ってゴールに持ち込んだ。
 連覇を狙う東海大仰星は前半終了前、インターセプトから20フェイズを重ね、モールでゴール前中央に迫ったあとボールを回し、WTB根塚洸雅が突っ込んでフィニッシュしようとしたが、東福岡のNO8福井翔大とCTB森が懸命に止め、さらにPR小林賢太もからんでグラウンディングを許さず、7−0で前半を終えた。
 東福岡は後半の立ち上がりもよく、2分、LO箸本龍雅キャプテンの力走でゴールに迫ったあとたたみかけ、中央でボールをもらったWTB焼山功雅が俊敏な動きで狭い空間を抜けてトライ、リードは14点に広がった。
 しかし、東海大仰星は6分、敵陣での相手のラインアウトボールをLO田中利輝がスチールし、FWがタテを突いたあとショートサイドを攻め、細かいパスワークからWTB宮崎佑基が抜けてトライを奪った。CTB松本大吾が難しい位置からのコンバージョンも決め、7点差に詰める。
 さらに仰星はリスタート後、自陣から17フェイズを重ねてゴールに迫り、密集から持ち出したFL山村幹太がインゴールに突っ込み、トライ。キック成功で14−14と、たちまち同点になった。
 東海大仰星が勢いを取り戻し、流れが変わったかと思われた。が、13分、攻めていた仰星側が敵陣22メートルライン付近で落球し、ターンオーバー、ボールを手にして駆け上がったモスグリーンジャージーのWTB焼山がタッチライン際で粘って内にいたCTB堀川優につなぎ、独走で東福岡が勝ち越した。
 勝負強い九州の雄はさらに16分、敵陣深くでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、CTB堀川が右隅にフィニッシュして連続トライ。28−14となる。
 それでも食い下がる東海大仰星は25分、ゴール前で連続して近場を突き、PR谷口祐一郎がスコアラーとなって(ゴールキック成功)7点差に詰めた。
 しかし、仰星は残り時間2分を切って敵陣22メートルライン内に入ったものの、粘り強いディフェンスも武器とする東福岡が守り切り、激闘はノーサイドとなった。
 優勝した東福岡の藤田雄一郎監督は「選手たちがよく頑張った。先制できたが、仰星さんはそんなに簡単には勝たせてくれない。準々決勝(京都成章に28−22)、準決勝(御所実に25−24)の粘りが活きたと思う」とコメント。2季ぶりの3冠達成について訊かれると、「選手が一生懸命練習して、箸本キャプテンを中心にやった結果。選手に感謝。また、いろんな人に支えてもらってのチームなので、その方々にも感謝申し上げたい」と喜びを語った。
 福岡県予選を制した直後、「花園で日本一を取り返したい。あの大きな優勝旗を箸本龍雅が持って博多駅を歩く姿を見たい」と指揮官は言っていたが、凱旋は現実となる。

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