国内 2017.01.01

石見智翠館は終盤に仁熊が大仕事。御所実と京都成章は完封で8強入り

石見智翠館は終盤に仁熊が大仕事。御所実と京都成章は完封で8強入り
ボールを持つ石見智翠館のWTB仁熊秀斗。報徳学園戦の後半に大きな2トライ(撮影:牛島寿人)
 昨年度の花園で初のベスト4入りを果たした石見智翠館(島根)は、今年度、第96回全国高校ラグビー大会の3回戦で報徳学園(兵庫)を24−19で下し、準々決勝進出を決めた。
 石見智翠館は前半8分、ゴール前でモールを形成して押し込み先制。24分には敵陣22メートルライン付近のスクラムから8−9でキャプテンのSH梅川太我が狭いサイドを突いてゴールに持ち込み、リードを広げた。
 ミスが続いてリズムをつかめなかった報徳学園だが、相手にイエローカードが出て数的有利となった27分、敵陣深くでの攻撃チャンスとなり、FWがパワープレーでトライを奪い返した。
 5点を追う報徳学院は後半5分、勇敢なタテへの突進と粘り強い継続でゴールに迫り、LO高井杏輔がフィニッシュ、12−12の同点とした。
 しかし、石見智翠館は20分、ディフェンスでプレッシャーをかけて相手に落球させると、WTB仁熊秀斗が敵陣10メートルラインからのカウンターで防御網を切り裂き、勝ち越し。さらに、リスタートのキックオフを報徳学園が失敗し、石見智翠館ボールのセンタースクラムで再開すると、CTB山本陸の力走で敵陣深くに入り、エースの仁熊にボールが渡って連続トライを挙げた。
 残り約1分、報徳学園はカウンターでSO山田駆がゲインしたあとWTB中西海斗につないでトライを奪い、コンバージョン成功で5点差に詰めた。しかし、リスタート後、懸命にボールをつないだ報徳学園だったが、最後は石見智翠館がカウンターラックでターンオーバーし、ノーサイドとなった。
 秋の国体で奈良県代表として優勝したAシードの御所実業(奈良)は、1回戦から勝ち上がってきた茗溪学園を71−0と圧倒した。強みの組織ディフェンスを発揮し、2試合連続の完封勝利。攻めては11トライを挙げた。
 御所実は前半1分、敵陣での相手ボールラインアウトをスチールしたあとたたみかけ、鋭く切り込んでゴールに迫ったWTB南昂伸がオフロードでLO山崎仁につなぎ、先制した。10分にはFB岡村晃司がタックラーを引きずりながらインゴールに押さえ、追加点。高校日本代表候補のFB岡村は22分にもトライを挙げ、チームに勢いをもたらした。御所実は26分にも敵陣深くに入ると、密集サイドに相手人数を寄せて外に振り、WTB朝倉健裕がフィニッシュ。24−0で折り返した。
 後半早々には相手の落球からチャンスとなり、CTBメイン平が抜けてリードを拡大。サポートが次々とついてボールをつなぐ御所実は、その後6トライを追加し、完勝で“2冠”にまた近づいた。
 京都成章(京都)も完封勝利で階段をひとつ上った。同じBシード校の中部大春日丘(愛知)を21−0で下し、準々決勝進出だ。
 ガマンの時間帯が続き、前半20分にようやくスコアボードが動いた。京都成章はラインアウトからフェイズを重ねてゴール前に迫り、SO西川虎哲が切り込んだあとCTB川島丈生につないで先制した。ハーフタイム前にはPR藤田康助がインゴールにねじ込み、14−0で折り返す。
 初のベスト8入りを目指した中部大春日丘だが、京都成章の堅い守りを崩せなかった。そして後半29分には京都成章がカウンターラックでボールを奪い返し、WTB笹岡海斗がトライを挙げて勝負あり。
 中部大春日丘は最後に17フェイズを重ねたが、ブレイクダウンでからまれ、直後にファイナルホイッスル。チャレンジを終え、花園を去っていった。

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