国内 2017.01.01

連覇狙う東海大仰星が前進。東福岡、桐蔭学園も順当に準々決勝進出

連覇狙う東海大仰星が前進。東福岡、桐蔭学園も順当に準々決勝進出
深谷戦の終盤にトライを決めた東海大仰星のPR谷口祐一郎(撮影:牛島寿人)
 2017年の初日が昇り、東大阪市花園ラグビー場は楕円球に青春をかけた高校生たちの全力プレーに沸いた。第96回全国高等学校ラグビーフットボール大会は1月1日、3回戦がおこなわれ、前年度王者の東海大仰星(大阪第1)はBシードの深谷(埼玉)を48−19で下し、準々決勝進出を決めた。
 東海大仰星は前半15分、LO田中利輝のビッグゲインで敵陣深くに入り、すばやいリサイクルで継続してCTB長田智希が先制トライ。23分にはFB河瀬諒介が自陣からゲインしてWTB根塚洸雅につなぎ、振り切って追加点を挙げた。さらに、リスタートのキックオフボールを確保した仰星は、PR谷口祐一郎が自陣からダイナミックな走りで敵陣深くに入り、NO8吉田大亮がゴールに持ち込み、19−0で前半を終えた。
 ハーフタイム後も仰星ペースは変わらず、後半早々にはWTB根塚が自陣から約70メートル力走、ゴールライン目前で相手FB山沢京平に止められたが、サポートしたSH人羅奎太郎がインゴールに押さえた。4分にはドライビングモールで大きく前進したあとNO8吉田が持ち出してトライを決め、31−0とリードを広げた。
 対する深谷は14分、エースのFB山沢が自陣10メートルラインから抜け、鋭いステップで防御網を切り裂き最後はU17日本代表のFB河瀬もあっさり振り切ってゴールに持ち込んだ。
 しかし、東海大仰星はその後、2トライを加えて突き放す。深谷は終盤にキャプテンのSH新井駿が連続トライで意地を見せたが、1月3日の準々決勝に駒を進めたのは東海大仰星だった。
 2回戦で139得点の大会新記録を打ち立てたAシードの東福岡(福岡)は、2年ぶりの花園制覇と全国3冠へ向けて3回戦も圧倒的強さで突破した。39年ぶりの出場で花園2勝を挙げた松山聖陵(愛媛)が果敢に挑んだが、91−0と大差がついた。
 前半2分、2年生の大型NO8福井翔大がパワーでゴールに持ち込み先制した。松山聖陵はSO大澤成貴が好走して会場を沸かせたシーンもあったが、東福岡は戻りが早く、守りも堅かった。
 チャレンジャーの奮闘に加え、自分たちのミスもあって2トライ目まで少し時間を要した東福岡だったが、15分にバックスが自陣からつないで取り切り、17分には松山聖陵WTB濱田桂右のナイスタックルもあったがつないでWTB藤本大生が得点を重ねた。
 20分にはCTB森勇登とLO木下龍の力走もあったあと、キャプテンのLO箸本龍雅がゴールに持ち込んだ。簡単には倒れないモスグリーン軍団は25分にもチャンスを作り、U20セブンズ日本代表の主将を務めたFB古賀由教がスコアラーとなり、35−0で前半を終えた。
 後半早々にはWTB藤本が大きくゲインしたあとすばやく右へ回し、CTB稲吉渓太が加点。圧倒的なフィジカルを誇る東福岡はその後、7トライを追加し、松山聖陵の挑戦を退けた。
 春の選抜大会で準優勝だった桐蔭学園(神奈川)は高速ラグビーを発揮し、39大会ぶりのベスト8を目指した新潟工業(新潟)から8トライを挙げて42−0と快勝した。
 前半12分、ゴールに迫ってFW勝負し、PR細木康太郎が先制。17分には敵陣22メートルライン内スクラムからの攻撃でCTB渡邉晃生、NO8山本龍亮、HO原田衛が力強く突進してゴールに迫り、最後はPR細木が連続トライを挙げた。
桐蔭学園は10−0で迎えた後半の立ち上がりがよく、早いボール回しで人数が余ったところをFL原朋輝がゴールに持ち込み、追加点。9分にもスピーディーな攻撃の最後、CTB渡邉がタックラーをかわしてゴールに持ち込み、リードを広げた。17分にはCTB竹下日向が軽快なステップで相手を翻弄し、WTB大木魁のトライを演出。その後も3トライを追加し、快勝でベスト8入りを決めた。

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