国内
2016.10.24
東京朝高、花園で1勝を。都大会初戦勝利
12月27日から開催される「第96回全国高校ラグビー大会」(東大阪市花園ラグビー場)を目指し、全国で熱い予選が繰り広げられている。
東京都では第1地区、第2地区に分かれ11月13日の決勝まで戦いが続く。
2015年度、東京都第2地区を制し全国大会初出場を果たした東京朝鮮中高級学校。2大会連続出場を目指し10月23日、第2地区で初戦となる3回戦で学習院高等科と対戦し、52−17で制してベスト8に進んだ。
この試合、最初は、すでに2試合を勝ち進んできた学習院が小気味よいアタックを見せた。東京朝高は、徐々に試合勘を取り戻す。前半12分、学習院陣22メートルで左ラインアウトを得る。昨年、全国大会出場を決めた自慢のモール攻撃が健在、押し込むとNO8李昇基がトライラインを越え先制した。つづく21分にも右側のスクラムから左へ展開すると、SO洪洋極がトライを奪った。5分後にはモールから李の2本目のトライ(19−0)。28分にもセットプレーを起点にBKがトライを取り切り、前半を26−0で終えた。
後半も開始2分、ゴール前スクラムから李の3本目となるハットトリックトライとゴールキックで7点を加え、試合を決めた。李は17分にも4トライ目を奪う活躍だった。
学習院は後半5分にPGで3点を返し、12分、21分と2トライで計17点を取る善戦を見せた。
東京朝高の邵基学(ソ・キハク)監督は「今年は花園で1勝が目標です。その挑戦権を得るために1試合1試合大切に戦っていきたい」と語った。
順調にいけば準決勝で、昨年度東京第1地区代表の國學院久我山高と当たる可能性がある。久我山に対して東京朝高は「公式戦で勝ったことがない。今年も新人戦で負けています(1月31日の準決勝19−20)」(邵監督)。乗り越えれば花園切符が見えてくるか。
この日4トライのNO8李は「スクラムで前があけばサイドへ攻めようと練習してきた通りのことができた。先輩たちが残してくれた経験をいかしたい」。昨年、花園ではベンチ入りも出場できなかった。花園の舞台に立つ気持ちでいっぱいだ。
昨年度主将の文陽善も後輩たちを応援した。「まだ花園に1回出ただけ。東京で強豪といわれるように後輩たちは頑張ってきた。花園で1勝して欲しい」と期待する。12月にカナダへ留学に旅立つ先輩は都大会決勝まで会場へ通う。
次週、東京朝高と対戦するチームは駒込学園に決まった。都小平西を後半突き放し、48−14で勝ち上がった。
駒込の永田拓郎監督は「反則をしない。反則をすると朝鮮高はタッチへ蹴りだし、ラインアウトからモールで得点を奪う。ディフェンスはタックル、タックルをするだけです」と話すが、その先には勝利を見ている。「新人大会のリベンジをしたい(準々決勝、5−38で敗戦)」。
(文:見明亨徳)
朝高BKもトライラインを越えた。写真のボール保持者はWTB梁潤学(撮影:見明亨徳)
駒込学園(赤紺ジャージ)が次週、朝高と対戦(撮影:見明亨徳)