国内
2016.09.11
ヤマハが3連勝で首位浮上! 日産スタジアムでは東芝が熱闘制す
今季トップリーグで開幕2連勝と勢いがあるヤマハ発動機ジュビロと宗像サニックスブルースが、9月10日に佐賀県総合陸上競技場で激突。日本最高峰リーグに復帰して果敢なチェレンジを続けるサニックスのジャイアントキリングとなるか注目されたが、ヤマハは強かった。6トライを挙げて43−10と挑戦者を圧倒。
敗れたサニックスの藤井雄一郎監督は、「16位(再昇格のサニックス)と1位を狙うチームの差かな」と悔しさをかみしめた。
強力スクラムを武器に、オープニングゲームで3連覇中の王者・パナソニックワイルドナイツを倒したヤマハは、この試合でもFWパックが安定していた。下部リーグにいた頃からセットピースを鍛えてきたサニックスは、何度か踏ん張ったが全体的に劣勢で、レフリーとの相性も悪く、スクラムで反則が続いた。「プレッシャーを受けることを想定して、しっかり組もうと準備してきたが……。まだまだ力不足。向こうの組みたいように組まれた」とサニックス主将のFL田村衛土は反省する。ヤマハは要所で、ブレイクダウンやディフェンスからのターンオーバーもあり、試合を優位に進めた。
序盤にサニックスがPGで先制したものの、前半6分からはヤマハの得点ラッシュ。力強い走りも魅力のLOデューク・クリシュナンが最初のファイブポインターとなると、14分にはラインアウトからモールで押し込み、追加点。敵陣で攻める時間が長かったヤマハはさらに23分、連続攻撃の末にCTBヴィリアミ・タヒトゥアがトライを決め、サニックスがシンビンで1人少なくなった時間帯の35分にはFBゲラード・ファンデンヒーファーもゴールラインを割り、28−3とリードを広げた。
自陣22メートルライン内での守備も粘り強かったヤマハは、後半もゲームを支配し、58分(後半18分)、ゴール前中央のスクラムから左を攻め、CTBタヒトゥアがトライ。72分には、CTBタヒトゥアがラインブレイクして最後は途中出場CTBマレ・サウがフィニッシュし、勝負を決めた。
しかし、ヤマハは75分に敵陣でパスを乱し、相手WTBアンドリュー・エブリンハムに独走トライを許したのは不要だった。
試合後の会見で勝者・清宮克幸監督に笑顔はあったが、「今日は残り10分でいただけないプレーが随所にあった。タックルできるのにやらない奴がいた」と苦言を呈した。
ヤマハが次にぶつかるのは東芝ブレイブルーパスだ。昨シーズンの順位決定トーナメント準決勝で苦汁をなめさせられた因縁の相手。だからこそ、指揮官とキャプテンはチームを引き締める。
「まだまだ今日のような内容だと次の東芝戦は厳しい。昨年度は東芝に負けている。東芝との試合はホーム開幕戦(9月17日/静岡・ヤマハスタジアム)なので、地元の皆さんに強いヤマハを見せられるようにしっかり準備したい」とキャプテンのFL三村勇飛丸は語った。
そして清宮監督は、「我々の上にいたチーム(パナソニック、東芝)と序盤戦に2つ戦うことになった。これを勝つことで、ヤマハが広島カープ(プロ野球セリーグで25年ぶり優勝)のようになれるかも」と言って、ニヤリと笑った。
プレーオフがなく、総当たりリーグ戦のみで優勝を争う今季のトップリーグ。悲願の初制覇へ向けて、ヤマハが着実にポイントを伸ばし(勝点14)首位に浮上している。サニックスは2勝1敗で勝点は8のまま。
10日はほかにも第3節の6試合があった。
2019年ワールドカップの決勝会場となる日産スタジアムで初めてトップリーグの公式戦がおこなわれ、観衆1万1223人の前で、東芝がキヤノンイーグルスに21−19で勝利。
63分(後半23分)にキヤノンのHO金子大介がモールから抜け出しトライを挙げて逆転、70分にはSOジャンクロード・ルースがPGを決めて13−19としたが、東芝は73分にWTB豊島翔平がトライを決めて1点差に詰める。そして77分、東芝は敵陣での相手ボールスクラムをターンオーバーしてスピーディーな連続攻撃を仕掛け、22メートルライン内でペナルティを獲得。この大事なショットチャンスをSH小川高廣が決め、再逆転で熱闘を制した。
東芝は3連勝(勝点13)。キヤノンは1勝2敗(勝点5)となった。
同じく開幕から負けなしのトヨタ自動車ヴェルブリッツは、初勝利を目指すHonda HEATに苦しみながらも、ロスタイムにFB城戸雄生のトライで同点に追いつき、SOベン・ルーカスのコンバージョン成功で32−30と逆転勝利。
トヨタ自動車は3勝0敗としたものの、ボーナスポイントを得られなかったため勝点14でヤマハと並び、得失点差で首位の座を明け渡している。
一方、3連敗となったHondaだが、7点差以内の敗戦だったためボーナスポイント1点を獲得した。
サントリーサンゴリアスはリコーブラックラムズに23−17で逆転勝ちし、3連勝(勝点13)となった。リコーは1勝2敗(勝点5)。
4連覇を目指すパナソニックは近鉄ライナーズを32−20で下し、神戸製鋼コベルコスティーラーズはコカ・コーラレッドスパークスを48−7と圧倒して、どちらも2勝1敗となった。パナソニックは勝点10、神戸製鋼は勝点9。近鉄は1勝2敗(勝点5)、コカ・コーラは3連敗(勝点1)と苦しい戦いが続いている。
そして、開幕2連敗同士の対戦となったクボタスピアーズ×豊田自動織機シャトルズの試合は、クボタが77分にSOルイ・フーシェのドロップゴールで24−22と逆転し、今季初勝利を手にした(勝点5)。またも接戦を落とした豊田自動織機は2度目のボーナスポイント獲得で勝点2となった。